ペットと遅いバレンタインデート。
彼の仕事終わりを、私の愛車で待ってる。
バレンタインは今年で3回目、毎年同じチョコケーキを準備してる。
最初の年はチョコケーキに感激してたけど、今じゃそれほど喜ばない。
むしろバレンタインからかなり遅くなってしまったので、どう家に持ち帰ろうか悩んでる。
まぁそんなものだよ不倫3年目、最近私もマンネリは感じてる。
この日はいつもより早めの時間を指定されたので、デートもその分長いのかと思ったら、早く帰らなきゃならないと言う。
相変わらず妻に牛耳られてるんだろうな。ペット夫婦はかなり険悪みたい。
でも彼の妻を傷つけたいわけじゃないから、バレないように時間通りに彼を返さなくては。
そう思ってたのに結局ペットの仕事押し。
バレンタインのお返しは、その日に身体で返してもらいたいのだけど、今日は時間的に無理かなと思いつつ、仕事終わりを待ってた。
『いま向かってる、遅くなってごめん』
ラインが入る。
もう1時間近く待ってるのに、ごめんの一言か。まぁ仕方ないよね。
最近繁忙期なのと、2人の付き合いにマンネリを感じているから、私はわざとペットを遠ざけてる。もちろんセックスもお預け状態。
今まで毎週のように会ってたのに、今年に入ってからは二度目のデート、それなのに。
バックミラーをチラチラ見ていると、走ってくる彼が見える。
私の車までダッシュで来て、後部座席に鞄を投げ入れて、急いで助手席に滑り込む。
「ごめん…おまたせ。ひ…(息切れ)久しぶりだね」
息も絶え絶えにそう言って微笑むから、私も笑ってしまった。
ふいにキスされる。久しぶり、このキス。
一度キスしたら止められず、何度も何度もキスをする。
私が彼を「ペット」と呼ぶのは、男として甲斐性がない事と、9歳も年下なこと、それに他の男達よりずっとセックスが良いから。
女はセックスだけですべて許してしまう。そうゆう男も確かにいると知った人。
だから私が飼い馴らしてる。
このキスはセックスの前戯のキス。わかる、今日は私を抱きたいんだね。
優しくて甘くて柔らかい。ゆっくりと舌を絡ませる。唇を離して見つめ合って、またゆっくりと唇を重ねていく。
そのまま背中を抱き寄せられる。
ダメンズだとわかっても別れられない男って、こうゆうことなんだろうな。
結局食事にも行かずにそのままラブホで、慌ただしく抱き合った。
決してモノが大きいわけではなく、激しいわけでもないんだけど、すごくいい。
私が絶頂を迎えたのに合わせて、私の名前を呼びながら彼も達する。
「じゅりん…すごくよかった」
「うん、知ってる。ねぇ私以外としてない?」
「するわけないよ、自分でする暇もなかったよ」
「そうだよね、忙しかったもんね」
合格の回答。量的にも溜め込んでたっぽいし、赦してあげよう。
あのことがあってから、未だ私は疑ってる。
あのこと↓ 私もまだ根に持ってるのね。自分は他にも男がいるのにね。
その後、こんなこともあろうかと思って、こっそり作って持参したお握りと、コンビニで唐揚げとビール、私のノンアルを買って、いつも寄る埠頭に車を停めて、少しだけお喋り。
コンビニで買い物してる時に
「ねぇ、お握り足りるかな?二個しか作らなかったんだけど」
って聞いてみたけど
「じゅりんの美味いお握りがあるのに、まずいコンビニのお握りが食えるか」
なんて可愛い事を言う。
お預け効果なのか、今日はペットがいつもより優しいし、照れ臭そうに私の事を褒めてくれる。やっぱり月イチデートくらいのほうが大事にされるのかなぁ。
短い時間だけどたくさんお喋り。繁忙期が終わったら、また海までドライブしようね、お寿司食べに行こうとか約束して。
ペットの家の近くまで送って、車を降りて、後部座席から鞄とコートを取り出して、それから再び助手席に滑り込んできて、私にキスをする。
「おやすみ、ありがとう。家に着いたらLINEして」
「うん、幸せだった、ありがとう、おやすみなさい」
「気を付けて帰るんだよ」
「あなたもね」
「俺はここから徒歩100メートルだよ」
「だとしても、オヤジ狩りにあわないように」
そんな他愛ない会話をしながら、お互い離れがたい気持ちをチラチラ見せながら。
バイバイまたね。
手を振って車を出す。
車が見えなくなるまで手を振ってるのを見届けながら、幸せを噛み締める。
ほんと可愛い男、私のペット。
一番手がかかって面倒な人だけど、まだ手放せない。
・・・
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