既婚者サークル同窓会 - 人妻の気紛れで自堕落な生活

既婚者サークル、そんなものが世の中にあるって初めて知ったのは、誰かのブログで読んだから。すぐに興味を持って調べて、私が初めて参加したのが５年前。

このブログで‘‘彼氏‘‘と呼んでいた人（彼氏という呼び名）と出会う前で、最初の不倫相手のセフレと、その次に付き合った不倫相手と、ペットと呼んでいた稼げないサラリーマンの３人と付き合ってた頃。

今考えるとクズばっか付き合ってた(苦笑)だけど私もそもそもクズなので、どこで新しい出会いがあるかわかんないと期待いっぱいで、初参加した既婚者サークル。コロナの前でかなり盛況だったし楽しかった。残念ながら初参加で良い出会いはなかったけど、その時、私の両隣に座った女性二人とは親しくなり、その後女子会したり合コンしてた。その女子メンバーはどんどん増えて‘‘不倫主婦友達‘‘と呼んで一時は活発にお互いの恋活を応援してたんだけど、なんとなくコロナで疎遠になったのと人数が増えると女同士の仲違いも起きやすく悪口も酷くて、自然と誰とも連絡を取り合わなくなっていた。

すっかりそんな事も忘れてた頃、ひょんなことから初参加の時の左隣の女性から連絡を貰い、だったらあの時の３人で同窓会をしようって話になった。私の不倫主婦友達の最初の原点。二人とも私より少し上、年代で言えばアラカン。

当時の私は、多頭飼いであることは伏せて、それまでの簡単な不倫歴と、セフレではなく彼氏が欲しいと思ってる事を彼女達に伝えていて、ほどなく彼氏と出会いお付き合いすることになり、彼氏の事も彼女達に紹介したりしてた。彼氏とのことは、自他ともに認める私の熱愛だったと今も思う。そうゆう恋がしたかった、今は違うけど。

「あのラブラブな彼と今も？」

と尋ねられて

「実は、３年付き合って突然フラれたの」

と苦笑い。

「その後は、熱愛って言えるほどの人は特にいなくて、それなりに飲み友や飯友はいるけど。あ、去年いいなと思ってたお医者さんがいたんだけど、なんか違うかなぁって思ってもう会って無い。もうあんなに好きになる人には出会えない気がしてるけど、今はそれなりに幸せで楽しいよ」

と加えて話した。

私は嘘はつかないけど、真実も話さない。先生(医者)との事は出会った時に『もしかしたらこれが最後の恋かもしれない』とまで思ったのは真実。まぁその夢も簡単に折られることになったんだけど。

あの頃、季節毎に恋人が違った恋多き左隣の女性は、コロナ禍で恋活とは全く無縁のセミナーで知り合った人と付き合い出して、もう２年半とか。物理的にも家族とは半別居していて、彼女の住まいの近くに彼も別に住んでいて、今は理想的な重婚状態という感じ。

もう一人の右隣りの女性は、恋活に熱心だった割には誰ともお付き合いする訳でもなくて諦めたと言ってたのに、共通の不倫友達が主催した合コンで知り合った人と２年続いてるらしい。だけど長年の夢だった海外移住も計画していて、彼女の夫と下見をしたり計画したりしてるから、不倫はいずれ終わらせると話してた。

一番恋のチャンスが豊富に見える(らしい)私が熱愛してないことに彼女達は驚き、私に慰めの言葉をかけて同情してくれたけど、私はあの頃より今の方がずっと幸せだと思ってる。だけどどんなに善人で良心的な人でも、人の不幸は僅かでも喜びを与える事を知っているから、私は不幸な顔をして神妙に頷く。

どうして恋愛のスタイルを変えたことが、私の不幸と思われるんだろう。本当の事なんて自分以外わからない。女同士の幸せ自慢の裏では、どんな感情が渦巻いてるかは知らない方が良い。何故か多くの人は、他人の芝生のほうが青くて美しいものだから。

若い頃は人の妬みや僻みがわからなくて、真っすぐにぶつかって大怪我をしてたけど、今の私は周りが快適なら自分を卑下するフリしても構わない。そんな役回りが果たせることのほうが自分が大人になれた気さえするけど、その思考そのものが性格歪んでるし悪いよなぁ…などと思ったりする。自覚はあるんだけど。

ただ、この歳になって恋愛の終わりとか生き方とか死に方とか、ライフスタイルの話題は共感することが多くて、同年代で情報を共有するのは大切だなぁと感じた。

左隣の女性は、今付き合っている恋人を、恋人というよりパートナーと感じてると話す。元々彼女は彼女の夫とは仲が冷え切っていて、温め直す事は無理だと考えているらしい。ちなみに恋人は独身。

「だから最初は自分も夢中だから、早く離婚したいとか彼と暮らしたいとか思ってたんだけど、今は子供達とももう少し一緒にいたいし、まだ母でいたいとも思ってる。子供も、もう大きいのに何言ってるんだって感じなんだけどね、良いとこ取りして宙ぶらりんだけど、今はそれが良いのかなぁって」

「私も、いつかは彼と終わらせると思ってるけど何も決めてない」

「私も、なんとなく今の感じでいいかなぁって思ってる」

３人で頷き合う。中途半端とか宙ぶらりんとか、そうゆうのが心地好いって事もあるよね。時代的にも曖昧を受け入れてくれてる気がする。正義とか悪とか、そう決めることが余計に難しくすることもある。道徳的には不倫だってあってはならない、だけど長い歴史の中で無くなったこともない。誰かの都合で罪の扱いにされてるけど、人間は本来自由に恋してSEXする生き物だし、動物。

「なんか、今日会えてよかった、また３人で飲みましょ」

また、があるかどうかは分からないけど、会えてよかったと思えたのは本当。

みんな迷いながら生きてて、この難しい年頃を生きてる。それで良きと思えた。そして何よりも経験が私を育ててくれて、今の私はあの頃の私より、ずっと本気で男達を愛でている。いや、あの頃だってあの頃の精一杯で愛してたけど私が未熟だった。

だけど、未熟で一生懸命で、自分を成長させようと背伸びしてる頃が、実は一番感情豊かで、辛く切なく楽しいのかもね。今は穏やかに恐れもなく、いつかの終わりの覚悟を決めてる。死を迎える事も同じなのかもしれない、など不倫から哲学的な事を考えたりしてるけど、真剣。

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