人妻の気紛れで自堕落な生活

人妻の夜遊びとか不倫とか時々仕事とか

3年の壁

腰まであった長い髪を肩の上まで切った。

元彼と付き合い始めた夏にも一度切って、それから伸ばしてたから4年かな。

 

寿クンが、私のヘアチェンジを一番楽しみにしていたし、一番喜んでくれた。彼はいつもどんな細やかな事でも、私の変化を見逃さない。

新しいピアスや服も、知らないうちに出来た擦り傷も、たまに腫れてしまう内反小趾まで、毎回私のチェックをして、自分だけが見れる非公開の‘‘じゅりん日記‘‘をアプリで付けている。そこには毎回、デートの写真や私の変化、私が話した事まで書き込まれていて、これって好きな人じゃなきゃ怖いレベルだなって思ったりする。

 

そんな寿クン、なんとなく倦怠期だなぁって、ここ半年位思ってた。モノタスクな寿クンの仕事が忙しくなって、心も頭も私が占める容量が少し減っただけとは思うけど、前より会ってもテンション低いし、デートの時間も短めだし、もともと少ないLINEも減った。私からは殆どLINEすることは無いから、彼から来なければ生きてるかもわからない。前はただ顔を見るだけにお茶に来てくれたりしてたけど、最近はそれもない。まぁそんなもんか、3年目だもんね、日常に私が植え付けられただけ…なんて、私もあまり考えないようにしてた。直視してしまうと別れが近づきそうで怖かった。こんな関係だからいつだって覚悟は出来てる、でもやっぱり‘‘その時‘‘が来たら辛い。

 

過去の恋愛から鑑みても、3年目は危うい。生物学的にも3年続いても妊娠しなければ、本能的に冷めるらしい(そもそも妊娠するような年齢でもないけど)

何かの統計で見たけど、3年以内に別れるカップルは82%?だったかな。元彼とも3年目で突然フラれた。だから3年目をクリアできるかどうかは私にとっては大きな問題で、どこかで3年目を恐れてる。

逆に3年を過ぎると比較的緩やかに続く傾向もあるけれど、そうなって腐れ縁みたいな流れで夫と私は結婚した。不倫の場合、結婚には向かわないから今後どうなるんだろうと時々思う。その恐怖心から、無意識に私が寿クンを遠ざけて、二人の間に倦怠感を創り出していたのかもしれない。

細々と寿クンに不満もあったし、何となく倦怠感だし3年目の恐怖もあって、だけどそれらを直視しちゃったら私からお別れを切り出しそうで、それも怖くてできない。だから何となく最近は私が不機嫌な感じで、デートのインターバルもあまり詰めすぎないようにしていたんだけど。

 

寿クンはずっと変わらず私に会いたがってくれる。片道2時間の距離を会いに来てくれる。それがどれだけ彼の気持ちからの行動なのか、私もよく分かってるのに、なんだか素直に甘えられない。それを察したのか、寿クンがやたらと『愛してる』と言い始めた。

んー胡散臭い。

愛してるって、重い言葉なんだよね。気軽に口に出せない。想いがあってもなかなか言えない。それなのに何十回も言うからイライラしちゃって、私はホテルの部屋で泣いてしまった。何か言いたいけど言葉も出なくて、だけどこの気持ちをどう表現していいのかわからないし、本当は『私も愛してる』って返したいけどそれも出来ない。本当は色々イチャモンを付けて罵りたい、だけど思いつくイチャモンも無くて、感情がグルグルと彷徨ってワッと泣き出してしまった。

寿クンは泣いてる私の肩を抱いて、ただ傍にいてくれた。

 

「わかってるよ、最近ちゃんと一日時間が取れなくてごめんね。りーちゃんだけの事をずっと考えられなくてごめんね。色々我慢させてごめんね」

 

寿クンは優しい。気の利いた事を言えるタイプでもないしイケメンでもないけど、本当に私の事を大事にしてくれてるのは分かってる。分かってるからこそ怖い。

 

「りーちゃん、前に3年目が怖いって言ってた。でも大丈夫だから」

 

「俺、どこにも行かないでりーちゃんの傍にいるから」

 

「最近色々行動パターンを変えてさ、バレないように対策してるの。だから前みたいにずっと一日中一緒に居ない日もあるけど、その分何回も会えたらいいなと思ってるんだよ。りーちゃんは冬の間忙しいから、なかなか難しかったけど」

 

「大丈夫だからね、心配ないからね」

 

繰り返し優しく話す寿クン。

優しいから、この人がいなくなる日のことを考えると不安で仕方ない。何ていうか恋愛の枠を越えても、私の傍にいて欲しい。

一方で、そろそろ私から解放してあげなきゃとも思う。出会った頃は本当に世間知らずだった寿クンが、色んなことを覚えて成長して、今じゃデートのエスコートも完璧になった。スポーツ選手の成長に合わせてコーチが代わっていくように、彼に相応しい女性と付き合って、更に成長して欲しいとも願う。その気持ちは嘘じゃない、だけどその時は今じゃない。葛藤。

 

「あのね、私ね・・・」

 

「うん」

 

「うぇーん・・・あの・・」

 

「うん、分ってるよ、大好きだよ」

 

色んなことが怖い。老いて行くこと、将来セックスが出来なくなる事(既に性欲がだいぶない)男の気持ちが離れる事、私がいつか冷めてしまう事。

それは今この瞬間を生きていないことになる、勿体ないとわかってる。だけど3年目、この壁を乗り超えられる自信がなくて、時々すごく大きな感情の波に呑まれる。

私は元彼とのお別れ以来すっかり怖がってばかりいて、そのことに寿クンは気付いてる。

 

「次は一日時間を作るから、どこかに行こう。りーちゃんが行きたがってたあの水族館とか」

 

「うん、でも無理しないでね」

 

「無理してでも会いたいよ。一緒におでかけしたい。また旅行にも行きたい。あとさ、●●にキャンプ飯のお店があって、そこにりーちゃんと行きたいと思ってるんだ」

 

「うん、ありがとう」

 

たくさんの未来の約束、そうして私の不安を解消しようとしてくれてる寿クン。

電車を待つ僅かな時間も、ずっと私を気遣ってくれてる。

 

「ねぇ、私の事、どれ位好き?」

 

それは何となく、一生懸命先の約束を作ろうと話してる寿クンが気の毒で話題を変えたくて、つい口から出た言葉。ちょっと冗談っぽく、明るく楽しい雰囲気で尋ねてみた。

世界一って言うかなぁ、いや寿クンなら宇宙一好きって言いそうだな、なんて思ってたんだけど、一瞬真剣な顔した寿クンが私の目を真っ直ぐ見て

 

「明日も会いたい位、りーちゃんが好き。毎日そう思ってる」

 

と言ったから、私はまた泣きそうになった。

切なかった、苦しくなった、だけど嬉しかった。とてもリアルだと感じた。寿クンの言葉は、いつも飾らない素朴な言葉で、不器用でつまらないけど、だからこそ彼の真実を感じる。

愛してるって言葉よりずっと、私には愛の告白に響いた。きっとあんなに愛してるって言ったのは、私の心の変化を感じて、どうにか宥めようとしてたのかもしれない。その気持ちに嘘はないのはわかってる、だけど何だか言葉が安く響いた気がしたの。ごめんね…心で謝る。

 

ここから片道2時間かけて帰る寿クン。物理的にも離れてて、会いたくてもすぐには会えない私達。電車に乗れば、30分で家に着く私が寿クンを見送る。ここで会う時のいつもの習慣。

 

3年の壁は確かに今も怖い。だけど怖いけど3年を迎えて、その先も一緒にいられたらいいなって少し思えた。明日生きてる保証もない、そんなことは頭ではずっとわかってるけど、やっと心が追い付いた。

 

ちなみにその後のデートでは、寿クンは一度も『愛してる』とは言わずに『大好き』になってた(笑)うん、そっちのほうが寿クンの本音って気がする。きっと頑張って無理して『愛してる』なんて言っちゃったんだろうな。

私も愛してる、永遠に口に出さないけど。

夏は体臭が気になって、これを2粒飲んでる。冬は1粒。

かなり効いてる!おススメ!

 

 

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