人妻の気紛れで自堕落な生活

人妻の夜遊びとか不倫とか時々仕事とか

大恋愛の成れの果て

15年位前に、夫の友達とその彼女をけしかけて、そのまま二人は結婚した。

夫の友達は彼女を『僕の女神です』と紹介するほど惚れこんでいたけど、彼女は彼の他にも好きな男がいて、更に過去付き合った男のDVでトラウマがあり、彼氏の事をそれほど本気ではなかった様子で、何度か私に相談された。

 

だけど、彼氏は結婚するには優良物件だよ。

優しいし、稼げるし、何よりアナタの事を愛してるのは傍から見ても分かるし。

別にいいんじゃない?他に男がいても。誰か一人に無理に絞らなくても。

とりあえず結婚を検討するって段階の婚約でもしてみたら?結婚って生活だもん、恋愛じゃない。だから一緒に暮らしてみないとわかんないし。

 

と、私のテキトーなアドバイスで一緒に暮らし始めて、そのまま第一子を妊娠して結婚。彼女は彼を『本当に優しい人、とても大事』と言ってたし、彼氏は良き夫となりイクメンとなって、二人の子供に恵まれて幸せそう。いつも仲が良いし、夫は妻の自慢ばかりしてる。たまに喧嘩した話も聞くけど、子供がいてもラブラブな夫婦っているもんだなぁって思ってた。数年前までは。

 

同じ趣味活動をしてるので、時々家族ぐるみで会う機会はあった。 

確か3年前の夏にこの家族と会った時、彼女のフェロモンが半端ないってすぐに気付いた。彼女の年齢は私と一つしか違わないハズなのだけど、今まではどこか幼さが残った顔立ちだったのに、その憂いを帯びた表情はまぎれもなく熟女。めっちゃ色っぽい。

女ってここまで変わるのかと思った。

 

この前ラジオで『整った綺麗な顔の、いかにも男遊びしそうな女は案外一途で、丸顔で爽やかで、割と目立たない可愛い系の女のほうが男遊びしてる』って言ってたんだけど、好き勝手言うよなぁって思いつつ彼女を思い出してしまった。

 

そもそも結婚前から、彼女が多頭飼いなのを知ってるのは私だけ。当時は確かに丸顔で幼くて爽やかで、色気は殆ど感じなかった。

でも顔は関係ないよね、私はいかにも男を手玉に取りそうな悪女顔だったけど、実際その通りの多頭飼いだもんね。今は加齢で目尻が下がって、逆に人が良さそうにみられるけど、中身は変わってないから根っからビッチ。私も結婚して暫くは一途に夫だけだったので、彼女も恐らく暫くは子育てに追われて夫だけだったんだろう。でも人の根っこは変わらないから、私も彼女も、その後は外に男を作ってる(たぶん)

でもあの漏れ出す色気はヤバいよね、とは思ってた。私も気を付けなきゃ(笑)

 

その後、彼女の夫の方も、あんなに彼女を愛して称えていたのに婚外彼女が出来たらしい、と私の夫経由で知る。まぁそんなもんか、あんなに大恋愛だったのにな。でも子供もいるし、離婚するつもりもないだろうし、それで人生楽しいなら良いんじゃないの…私も適当に夫に返事をしてた。どの夫婦もある意味では仮面を付けて暮らしてる。性愛の相手を変えず、浮気もせずにずっと続けられるパートナーって、この世に存在するんだろうか。

 

で、久々に先日、趣味活動でこの家族と会って、2泊同じ宿に泊まってた。

子供たちはすっかり大きくなって、お酒こそ飲める年ではないけど大人の会話にも口をはさむようになってて、自分達の父親の怪しい行動のことを、冗談交じりでネタにする。

そこには良妻賢母の優しい仮面をつけた彼女。優しい微笑みを絶やさず、子供たちのどこまで本気かわからない曝露トークにも余裕の笑顔で乗っかる。彼女の夫はうちの夫よりずっと若いし、背は高くはないけどブサメンでもなく愛想も良い。収入もそれなりにある外資系で、レディファーストなエスコートが出来るしトークも面白いので、世間知らずの女にはそこそこモテそう。

でも、こうして家族仲良く過ごしてるのを目の当たりにすると、なんだかすごく不思議な感覚。お互い他所では別の恋人を持つ夫婦、だけど家族としては理想的な笑顔。

彼等の子供は確か演劇部。父の素行をネタに、母に向かって無邪気に笑ってるけどそれも演技なのかしら。

 

勘の良い夫が私に

 

「なぁあの奥さん、ちょっとエロいよな。もしかして昼顔妻かな。まぁ旦那も彼女がいるんだから、別に昼顔やっててもおあいこだよな」

 

と言い出す。他人の夫婦の心配する前に、あなたは自分の妻の心配したほうがいいんじゃないの…と喉まで出かかったけど、微笑んで

 

「さぁ、どうだろうね。女から見ても色っぽいよね彼女」

 

と応えた。

お風呂で一緒だった時、彼女の真紅のペディキュアと、綺麗に手入れされた陰毛を見て、今も男はいるって確信したけど、それは女同士の暗黙の秘密。恐らく彼女も私を見て、同じように思ってる。私はさすがに真冬に真紅は分かり易すぎて選ばないけど、その意味に気付かない男達の愚かさになんだか笑える。冬のペディキュアなんて、好きな男に見せる以外に何の意味があるんだろう。

 

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「じゅりんちゃん私ね、自分が50になるなんて、笑っちゃうんだよね」

 

「えー私は笑えないよ」

 

「じゅりんちゃんと初めて会ったのは、まだ一応20代だったよね」

 

「若かったねぇ、私達」

 

「きちんと年を重ねてこれたのかなって、時々思うの。でも実際年は取るし、アンチエイジングのために毎日ソイプロテイン飲んでるんだけどさ。白髪とかすごい嫌で」

 

「わかるー!白髪とかね!私はヘナ使ってるけど油断したらヤバいよ」

 

「えーヘナなんだ。家で染めるの?どこのメーカー?今度教えて」

 

当たり障りのない会話をしながら、本当に言いたいことは言わない。

 

アナタ、ソトニオトコガイルヨネ?

(イマナンニンイルノ?)

 

私の夫は彼女の事がとても気になるらしく、何かにつけてアレコレと言ってる。

時々

 

「じゅりんも怪しいよな。まぁでも、そんな訳ないか」

 

と言い出す。

そんな訳あるし、そもそも私に外で恋愛しろと言ったのはアナタなんだけど…

 うちの妻に限って…って男の幻想。彼女の夫も私の夫も立派に間男されてるのに、上辺はとても上手く行ってる夫婦で、しかも彼女も私も、とても愛され妻だと思われてる。

 

実際愛されてはいるのだけど、性愛はもう無い。
それを夫の年齢のせいにして受け入れられない私が悪いんだけど。

 

彼女も私も、大恋愛の末に結婚したと仲間からは思われてる。大恋愛の成れの果ては、外面だけ微笑の夫婦。

だけどきっと、彼女も私も離婚はしない。確かに愛された経験をさせてくれた男という意味では夫には感謝してるし、きっと死ぬまで添い遂げる。そうゆう自分に陶酔してるんだろうなぁって思う。美学を貫く自己満足。

 

きちんと年を重ねてこれたのかなって、時々思うの

 

彼女のあの言葉が、耳鳴りみたいに時々聞こえる。

きちんとじゃないかもしれないけど、自分なりに納得できる年を重ねてきたはず。

今もそうして重ねてるはず?

 

王子様に見初められ、愛されてお城で暮したシンデレラ。

物語のその先も、成れの果ては不倫なのかなぁ、なんて時々思う。

 

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