この人と2度目のデート。
私と会いたいのか会いたくないのか謎だったけど、来年の約束をした後、一応平日の休みもお知らせしたら、お休み取って会いに来てくれるというのでクリスマスイブイブにデートすることに。
公務員クンという雑なネーミングだったけど、何となく親しげな顔に見えるのは、初恋の男の子に目元が似てるからだ、と気付いた。
だから初恋の男の子の名前を借りて『寿クン』と呼ぶことにする。
寿と書いて『ヒサシ』だけど『コトブキ』クンのほうが縁起が良さそうだから、コトブキ君ってことにしようかな(カテゴリーも『コトブキクン』新設してみた)
時間も場所も私に一任なので、うちから車で30分程度のショッピングモールに12時の待ち合わせ。このショッピングモールなら駐車場も広くて、食事もできるし、映画館やラウンドワンも入ってる。ブラブラとお買い物するのも楽しい。
お昼から夕方まで、ラブホに行かずお酒も飲まずにデートするって、シマリス君とドライブに行った3回目のデート以来かなぁ。
待ち合わせ場所に行くと、スーツ姿の寿クンが立っていた。
「あれ、お休みじゃ?もしかして朝からずっと待たせてたんじゃない?」
「一応平日だからスーツで出てきたけど大丈夫です、そんなに待ってないから」
スーツは多分量販店のもので、ネクタイは派手でも地味でもなく、普通のサラリーマン風。グレーのコートにビジネスバッグを持ってるその姿は、本当に普通の人だなぁって感じ。
背が高いわけでもなくイケメンでもない。だけど穏やかな表情で優しい笑顔で、なんとなく居心地が良い人。
「じゅりんさんの好きなものを食べましょう、食べるものは制限されてますよね?」
本当は男性にエスコートしてほしいところなんだけど、これも寿クンなりの気遣いみたい。私は男に対してイニシアティブを取りたい方なので、全て男任せのエスコートも気に入らないところはあるから、食事位は私が選んで丁度良いのかも。
洋食屋さんに入って、食事をしながら色々と話す。
前回はかなり緊張気味だったらしく、今回は前回の振り返りからトーク。
「僕ね、じゅりんさんとお会いした時に壮大なドッキリ仕掛けられてると思ったんです。だってサイトで写真見た時、すごい美人さんと思って、どうせ返事は来ないだろうって思ったから。その人が僕に時間を作ってくれて、また会ってくれるって、何かおかしいと思ってるんですけど」
「私、それほど美人じゃないですけど…私こそ、また年内お会い出来て嬉しいな」
私は決して美人ではない。それは壮絶な美人ばかりを並べる夜の店で、自分のレベルを痛い程味わってきたので自惚れることは無い。
店のママに『じゅりんは口を隠すと美人なのに、本当に残念ね。口元が無防備でバランスが悪い、整形したら?』と、何度も言われ続けてきた。
実際整形してる子は沢山いたし、顔に限らず身体も、造形美は当たり前の世界だった。彼女達はまとまった休みを取って海外で‘‘造って‘‘帰る。日本じゃできない施術も、海外の方が安くて上手なんだそう。
だけど私のアンバランスな顔立ちは、一部の男達には熱狂的に愛される。
その熱狂的なファンの一人、二流程度の知名度のカメラマンのお客に
「じゅりんの持つ、大人びた冷たい視線と、あどけなく無防備な口元のコントラストが、何とも淫靡な魅力なんだよね。他の女には作れない。無自覚な天然だから良いんだよ。俺はこの顔好き」
と言われてから、私は自分の顔に自信を持った。
美人だけが魅力じゃない。美しく整ってなくても、バランスの中で際立つ魅力があって、それを好む男がいる。
そのことに気を付けて観察していると、私のこの顔が好きな男も、次第に分かるようになってきた。夫もそうだし、多分シマリス君もそう。ただ彼等は、私の顔だけが好きなので中身はそれほど重要ではない。まぁそれでも、美人じゃない私の『顔が好き』って最強ワードだと思うから、有難いんだけど。
寿クンはどっちだろう。
顔はタイプからは外れては無さそうだけど、それほど顔に‘‘どハマり‘‘してるって感じでもなさそう。あまり表情が変わらないから、何を感じているかよくわからない。
隣県の田舎の人だから、女性に免疫がなくて初頭効果かも?多分遊び慣れてないし。私の事、今の時点でどう思ってるのかな。
「それは…一言でいうと『美人で気さく』だと思ってます。まだじゅりんさんの事、よくわからないけど」
「私、寿クンが言ってくれるほど美人だと思ってないけど、気さくっていうのはわかる気がするわ。フレンドリーなのは自覚がある」
「いや美人ですよ。他は間違ってるかもしれないし、僕まだよくわかりませんが…僕の中でのじゅりんさんは、ピュアで真っ直ぐというか。すごく一生懸命で嘘が無い人だなって。あとLINEでも感じてたけれど、とても賢い人、聡明だと思いました。さり気なく気遣いが出来る人」
「そんなに褒められて嬉しいけど、私は不純で不真面目で嘘つきよ」
「だとしても良いんです。僕の中ではそうだから。まだ良く知らないけど」
ピュアで真っ直ぐで一生懸命、嘘が無くて賢い。
彼氏も似たようなことを良く言うな。
夫も、私の事を『嘘は付けない』と良く言う。
こんなに嘘つきなのにな(笑)
私の中では、真実を話さないだけで、嘘をついてる自覚は無いけれど、それでも細かな嘘は少しずつ重ねてる。
だけど気持ちは、その時の瞬間の気持ちに嘘はない。
今、目の前のこの人のどこが好きなんだろうって考えてる。
ってことは、私もう、この人の事が好きになりかけてるんだろうな。
2020年、それまでどうしても捨てられなかったクズな男達を捨てて‘‘仕事が出来て男らしくて、経済力があってエスコートが出来る男‘‘が欲しいと願ってて、それが叶った。
だけど、有能な男はどこかで私に劣等感を感じてることも、会う度密かに感じ続けてた。
私は男の前で、自分のビジネスや世渡りの上手いところや、持ってる知識は披露しない。男のプライドを傷つけない。男尊女卑とは違う、女の愛され術だと思ってる。
たまにうっかり彼氏に披露してしまうと、その時は和やかに聴いてくれてた彼氏でさえ、後に私を小さな子として扱って、彼氏より大きくでしゃばらないように牽制するのがわかる。
シマリス君や星野クンは、もっとあからさまに私を小さく閉じ込めようとする。男は皆、無意識なのだろう、そうしてることすら気付いてない。だけど私は、幼いころからそうやって小さな箱に閉じ込められてきたからわかるんだ。苦しいし痛い。だけどそうしないと愛されない。
だから最初から、私は男が望む‘‘小さな箱‘‘より、もっと小さな私を演じてる。
アナタの前ではこんなに小さくて脆くて儚い私。
そんな演技が、ねっとりと心の襞にくっついて、時々どうしようもなくイヤになる。
そんなことをしなくても私を大事に扱ってくれる人を欲してた。
それは男じゃなく、女友達の中に在るんじゃないかと長い事思ってたし、実際一部の女性は分かってくれる人もいる。でもやっぱり恋愛の中でそれを叶えたい欲が、私にはあるんだなぁって後々辿っていくとわかった。
寿クンは、ただ私を崇めてくれた。
素晴らしいと、美人と絶賛してくれた。
どんなにそれを否定しても、僕はそう感じてる、僕から見たじゅりんさんはそんな人、と曲げない。
だから居心地が良いんだな。
あまり表情に感情が出ないし言葉も少ない人だけど、だからこそ一言の重みを感じる。
私のあざとい笑顔も、眩しそうに微笑みながら見つめてる。
ただ一緒にご飯を食べてるだけなのに「幸せだな」って何度も呟く。
私がこの人を幸せにしてる、この他者肯定感の極み!
そりゃ居心地よいよね(笑)
だからもう少しこの居心地の良さを味わいたい。
(続く)
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