今月温泉行かない?
空いてる日はある?
私が4月のスケジュールを連絡しないから、痺れを切らしたシマリス君から。
そのLINEを見たのは、寿クンとホテルにいた時。デート中でチェックしてなかったけど、送信時間がかなり前だった。
「あ、ちょっと仕事のスケジュールの連絡だけしてもいい?」
スラスラと口から出る嘘、男の前で、別の男にLINEする私。
もうすでに長い時間かけて丁寧に抱かれた後で、寿クンも言わないけど賢者タイムなのだろう。余裕の笑みで快諾される。
何度か急なお誘いはあったけど、私もそんなに急に会えるわけもなく、最後にシマリス君に会ったのは1月。
2か月以上顔を見ていないし、元々私は殆ど彼にLINEをしない。連絡すれば返事は必ず来るけど、もうシマリス君のほうから連絡が来なければ、このまま終わっても良いとさえ思っていた。先月には『来月温泉に行こうね、スケジュールが確定したら教えてね』と言われてたけど、そのまま私は連絡しないまま。
わかってる、男は簡単に女を捨てられない。だけど、飽きたり面倒になったり、安心したり油断して連絡が滞る。恋を日常に取り込む女はそれを許さないから男を捨てる。
そんなのもったいない…と私は思う。別に捨てなくても、男からの連絡頻度で自分の価値が変わる訳じゃない。マメな男程信用ならない。
だけど、いつでも指を咥えて物欲しそうに待ってる女だと、男には絶対に思われたくない。だから私は、ごくたまに自分の楽しい時間を写真と共に男に報告する。それは趣味の活動だったり飲み会だったり、何でも良いんだけど‘‘極めてさり気なく‘‘複数知らない男を写真に入れておくのがコツ。匂わせってやつ?(笑)楽しい時間を共有する男はアナタ以外にもいるのよって事を知らしめる。
それでもデートに誘われなければそこで終わり。私はわざと忙しいアピールをして、4月のスケジュールをシマリス君には知らせていなかった。これで追ってこなければ、私も心置きなく彼を捨てられる。イチかバチか。
だから嬉しかった、シマリス君からのLINE。
これはすぐに返事をせねば…と、さっきまで抱き合ってた男の前でLINEし始められる私も、クレイジーだなぁとは思ってるんだけど。
とりあえず、行けそうな日にちを2つほど書いて送る。すぐに返事が来る。これは既読になるのを待ってたパターンだよね、シメシメ…とりあえず日程だけ決めてスマホをバッグに仕舞う。寿クンに断っていじってるとはいえデート中なので、気持ちを切り替える。脳内ではスケジュールの調整を組み立てる、すでに今月の予定はパンパンなんだけど、心のどこかで、もしシマリス君から再度お誘いされたら、ここはどうにかできそうって日程を計算してた自分がいる。我ながらアザトイよね(笑)
複数男を持つ私に、時々『そんなことしてたら罰が当たる』と言う人がいる。罰ってなんだよ、と割と本気でそう思う。男からの報復?
私を報復できるのは私の夫だけだ。私に何人男がいても、法的な契約をしてるのは夫だけなのだから。その夫が目を瞑ると言ってるのだから、私に罰は当たらない。だって私の男達は絶対に幸せなハズだもの。私に出会って不幸になった男は、今のところ婚外に置いては一人もいない。それに、罰なんて言ってるから罰らしいことが起きるんだ。世の中に正も悪も無い。そんなモラルが自分の行く手を狭めてることに、早く気付いた方が幸せなのに。
もちろん今、目の前の私の男も、とことん幸せにして蕩けさせたので、寿クンは全く私の事をこの瞬間は疑ってないだろう。知らぬが仏、それで良し。
でも男には安心させない。いつでも私が他の男の手に落ちる可能性があるってことは、常々何気なく伝わるように発信してる。その緊張感こそ恋が長く続く秘訣と思う。その意味で、私は少しシマリス君を甘やかしすぎたところも否めない。まぁ独立して本当に忙しかったのは分かってるんだけど。
帰り道、高速の途中のパーキングでLINEをチェック。やっぱりシマリス君からLINEが入ってた。
早く会いたいな
‘‘早く抱きたいな‘‘が本音だろう。望むところだ(笑)
アラフィフの女が、30代のそれなりに見栄えの良い綺麗な身体の男に欲情され求められる、これだけでも充分に価値のある事だと私は思う。そのうえ恋愛ごっこもしてくれてるのだから、お釣りを払わなきゃならない位。他にも女がいるのかもしれないけど、それはこっちも同じ事なので触れない。シマリス君には最初に抱かれた日に『私だけなはずがない』と漏らした。それほど絶倫だから。シマリス君は『じゅりんもやで』と言ってたな。思えば既に最初から私達は、狸の化かし合いなのかもしれない。
●●のもっと奥にある秘境で、温泉付きの客室旅館なんよ
一緒にお風呂入ろ。
すごく嬉しい!お風呂付のお部屋なんて贅沢だね
ずっと会いたかったんだよ、忙しくて会えなくてごめんね。
早く会いたい
いつもはLINEしても返事はかなり遅くなってからなんだけど、またも即レス。
これはもしかして、シマリス君はちょっと弱ってるのかもしれないなぁ、仕事が大変すぎたのか、他の女にフラれたのかしら…なんて思いながらも、他の女の手垢がついた温泉に私もノコノコと付いていく。だって温泉コンパニオンだし(笑)
「よくそんな風に割り切れるね。2か月も放っておかれて、じゅりんちゃん平気なの?」
一連の流れを話した友達がそう言った。
無駄なプライドでイイ男を手放して後悔するくらいなら、男を喰い尽くして飽きたら捨てればいい。私は恋愛在りきのハンターだから、出会ってデートを数回して、恋して試乗して、それから付き合い始めるのはとても時間がかかる。だからイイ男だと思ってるうちは、それなりに緩く捕まえておきたい。
寿クンに深く愛されるのも、彼氏を愛して追うのも好きだけど、この緩い恋も好き。
どれもいつ終わるのかわからない。だから恋は楽しい。
寿クンとのデートもブログに書きたいけど、このこと↓も書きたい。なかなか執筆欲に時間と気力がついてこない(涙)
ラボさんからお別れLINEの返事が来て、暫く放置してからラボさんの誕生日にバースデーラインをして、その返事が来て、そのまま放置。私も未練タラタラだな。でも障害のあるプラトニックみたいでこれも良き♡愛って深い。
— じゅりん (@3venIS1RCaT3IQu) 2021年4月6日
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