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プラトニックなデート② (おまけ★私流神社参拝方法)

愛人のサイクリングを見て、ゴールで待ってるっていうプラトニックなデート。

ゴールの神社に着いていながら、このまま話さずに帰るべきか悩んでいた。

 

前回の続き↓「プラトニックなデート①」

jurinrin.hatenadiary.com

 

でも立ち去れずにウジウジ考えていたら、愛人が笑顔でこちらに向かって来るのが見えた。あの笑顔、やっぱり可愛い。自然と顔がほころんでしまう。

 

「じゅりんさんが待っててくれるから、すごい急いで飛ばしてきたんだ」

 

って笑うから、もう感無量になっちゃった。あれ、感無量の使い方おかしいかも?(笑)

 

結局、この場から立ち去れなかった。

だけどもう、この笑顔だけでいいやって晴れ晴れした気持ちになった。

 

出会って初めて、キスも手繋ぎもしないデート。こんな日も来るんだね。

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自転車を停めて、少し距離を空けて2人で境内を歩く。

愛人は先週よりは落ち着いたみたいに見える。

 

調理人をしている愛人は、急遽決まったコロナ対策のお休みの間に、後輩のお店の新メニュー開発を手伝ったり、先輩とZoomで話したりしたらしい。先輩にはネットワークビジネスを勧められて失望したことや、転職のオファーが延期になってしまったことや、後輩のお店が潰れそうな事や、霊感がある人にアドバイスされたことなど、色々話してくる。

 

とても不安なのだろう。

まとまりの無いような様々なストーリー、どれも出口のない話は彼らしくない。

 

うんうん、そうなんだ。大変だったね。頑張ってるね。アナタは偉いよ、間違ってないよ。大丈夫だよ。

私の返事はいくつかのバリエーションを織り交ぜながらもあまり自分の意見を語らないよう、聞き役に徹する。

 

「俺、神頼みとか今まで考えたことも無かったけど、じゅりんさんがゴールは神社がいいって言ってから、そうゆうのもアリなのかなって思った」

 

「神様には頼るんじゃないんだよ、感謝を添えて少しだけお願いするの。自分が頑張れるように見守ってくださいってお願いだよ」

 

「そうなんだ、自分じゃ絶対神社なんか来ないから」

 

「知ってるよ。たまには私の意見も聞いてみて。私がアゲマンなのは知ってるでしょ。アゲマンの言うことはちゃんと聞くことだよ」

 

愛人に神社の作法を教えながら、手水をとり、鳥居をくぐり、参道を歩いて一緒に参拝。ちなみにコロナ対策で手水は柄杓が無くなっていて、代わりにお水が竹を伝ってぽたぽたと落ちるようになっていた。

 

本当に、きちんと参拝をしたことがないらしい愛人に

 

「まずお賽銭を静かに入れて、二度お辞儀して、二回手を叩いて、その後神様に心で自分の住所と名前を言うのよ。それから、ここに来れたお礼と、普段のお礼を言って、ひとつか二つ、お願い事も言うんだよ」

 

と言ったら

 

「え、名前も住所もいるの?」

 

と驚いてた。面白い。

知らない人にとってはビックリするんだろうか。

神様だって誰が誰だかわかんなくなっちゃうから、ちゃんと住所と名前を言うんだよって小さい頃に教わったんだけど。

 

「うん。そして最後に『はらいたまえ、きよめたまえ、かむながら、まもりたまえ、さきわえたまえ』って3回言って、お辞儀するの。覚えきれなかったら『さきわえたまえ』だけを3回でもいいよ」

 

と教えて、その参拝の仕方をずっと眺めてた。

もちろん私もお祈りしながらなんだけど(笑)

 

愛人がチラッと顔を上げて、私を横目で見ながら

 

はらいため、きよめたまえ、かみ・・かむ・・」

 

って言うから、私が先に教えるように

 

「かむながら、まもりたまえ、さきわえたまえ。はらいたまえ、きよめたまえ、かむながら・・・」

 

と三回唱えた。彼もそれに習ってちゃんと唱えてた。

その後もすごく真剣に、長い間手を合わせてたから、真面目にお祈りできたのかな。

 

「ねぇ、何をお願いしたの?」

 

「コロナが早く終わりますように、俺が早く仕事復帰できますようにってお願いした。じゅりんさんは?」

 

「内緒だよ。お御籤引こう。お御籤は神様からのメッセージだよ。お御籤は、大吉でも大凶でも関係なくて、そのメッセージが大事だからね」

 

本当は『私の強運が、愛人クンにもお裾分けできますように。お金のごとく沢山の人に循環しますように』ってお願いした。

 

私は強烈に運が良い。それは私が育て上げた運なので、本当は愛人にも運の育て方を教えてあげたい。だけど本人が望まなければ学べないだろうから、私の運をお裾分けしたいと切実に思ってる。

 

私のお御籤は「吉」

お正月は大吉だったんだけどな。

あまり関係ないとは言えども、良いほうが嬉しいものだね。

 

「俺、凶だった。ダメだ…」

 

「仕事運は?」

 

「耐える時だって」

 

「待ち人は?」

 

「来ないって書いてある」

 

「え、やった。じゃあアナタ、まだしばらく私と付き合ってるってことだね。アナタの待ち人は結婚相手なんだから」

 

「じゅりんさんは?待ち人」

 

「来るって書いてあるよ」

 

「えー他の男が来るのかなぁ」

 

「あはは、そうかもね」

 

「あはは、俺がんばるよ」

 

やっと笑い合えた。

よかった、笑えるうちは元気になれる。

愛人はすごくすごく仕事が好きな事を知ってるから、その仕事を取り上げられて本当に落ち込んでいたと思うけど、これがずっとじゃない。

休んでる間、給与も6割は補償してくれる話がついたんだそう。

経済的にも少し安心したのかもしれない。

 

それからも、少しベンチで並んで座って、主に愛人がお喋りするのを聞いて励ました。帰りは車に乗り込む私を愛人が見送ってくれた。

 

「じゃあね、またね」

 

「はい、ありがとう」

 

お互い笑って、手を振って。

私の心も満たされた。

私は男に愛されたいんじゃなくて、愛したいんだね。

そして愛すべき男達がいて、本当に幸せ者。

 

*ちなみに、神社の参拝方法は、私の祖父が私に教えてくれた方法。

これが正しいのかは謎だけど、祖父はかなりエキセントリックでスピリチュアルな人だったので、また今度ブログに書きたいな。

・・・

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