恋人とずっと一緒に居たくて、デートの終わりにバイバイする時、泣いたりしたのはいくつまでだっただろう。一体いつから私は、バイバイする時少しホッとして、でも切なくて、自分を取り戻した気分を味わうようになったんだろう。
いつから恋人を、自分の分身みたいに思わなくなったんだろう。
そんなことばかり考えてる。
先生のうちに初お泊り。この時お泊りの約束をした↓
先生のお休み前日、私は翌日の仕事を午後からだけにして、先生のうちに泊まりに行く。仕事帰りの先生と待ち合わせして、デパ地下でデリを買っておうちに行く予定だったのに、先生が色々料理を作って準備していたみたいで、殆ど買い物せずに済んでしまった。一緒の買い物も楽しみだったけど、私の予想以上に張り切ってる先生が可愛い。
おうちに着いて乾杯。一緒に料理を盛りつけたり、最近読んだ本の話などをする。
赤ワインを開けたのに、重すぎて魚料理に合わないからと日本酒を注いで出してくれる。私はお酒は結構イケる口なので気を使ってくれてるのかもしれない。
食事の後片付けをして、ソファで音楽を聴いて、手を握ったりキスしたり。交代でシャワーを浴びてベッドへ。
初めてのSEXは、とても大人で女のツボを弁えてて、優しかった。先生の身体は私が抱かれてきた男達の中でも5本の指に入る綺麗な筋肉で、肌も艶々している。とても8歳年上とは思えない。
充分にイカされてから中断。
「歳を取ると射精が難しいんだよ。特にお酒を飲むとダメかイカないかのどちらか」
「じゃあ、お酒飲まない方が良かったかな、でも飲まないと恥ずかしいね」
「いいんだよ、一緒に飲みたかったし、充分キミを堪能している」
そう言って私を抱き寄せて目を瞑る。私はいつの間にか微睡んでいた。
でも先生は多分眠れなかったんだろう、何度か私を引き寄せる感覚があって、薄っすら目覚めた。
「起こしちゃった?」
「ううん…眠れないの?お酒は抜けた?」
「多分…」
そう言いながらさっきの続きが始まる。きっと手先が器用なんだろうと想像してたけど、想像以上に指先の使い方が上手い。ずっと何度もキスしながら抱かれる。私には全く攻めさせてはくれないみたい。ずっと組み敷かれたまま。
初めての男には、どこまで自分の技を見せて良いか悩むけれど、今回はされるがままで良いのだろう。最中にあまり話さない人だけど、時々押し殺したように呻く声が何ともセクシーだ。
「…中が…ずっと蠢くよ。どうしたい?」
「…来てほしい…早く…」
二度目はちゃんとフィニッシュして、安心して再び抱き合って眠る。
射精だけがSEXじゃないことは充分わかっているけれど、やっぱり初めての男には私で感じて欲しいし、イって欲しい。
先生はずっと私の手を握るか、私を抱き寄せてホールドするかで眠ってる。私はある程度眠ったら、お互い背中を向けてても良い位なんだけど、何故か絶対に私を離さない。私も眠ってるハズなんだけど、体制を自由に動かせなくて何かしら拘束されているような夢を見ているような。
気付いたら夜明け頃、再び身体を弄られて始まってしまって、いつの間にか再び眠ってた。
目が覚めた。時間をみたらまだ朝早い。いつもならあと1時間眠るんだけど、私が起きたら先生も目を覚ましてしまった。
「まだ早いから、こうしていよう」
後ろから抱かれる。人の体温って温かくて気持ち良い。眠いけど一度目が覚めてしまった感じで眠れない。他愛もない話をしながらグズグズとベッドで1時間程過ごした。
幸せだなと思う。SEXは悪くない。めちゃくちゃ相性が良いとか、シンクロの感覚ではないけど、大人のテクニックで充分に愛されたし、ずっとどこか肌が触れ合ってた安心感はあったと思う。ただ多分、よく眠れなかっただけ、SEXもお泊りも初めてで緊張してたのかもしれない。
シャワーをして朝食を食べてから、ベランダでコーヒーを飲んでお喋りしていた。
今日はもう少し、先生のおうちでゆっくりしてから仕事に行こうと思ってたんだけど、なんだか猛烈に眠いし、急に帰りたくなった。眠いだけなら、言えば再び私を寝かせてくれるかもしれない、でも私は少し一人になりたかった。
「先生、眠れた?」
「少し寝たよ」
「今は眠くない?」
「いま大丈夫」
「私、結構眠くなってきて…」
「午後の仕事行ける?」
「どうだろう…」
「僕達も寝不足だと仕事に支障が出るから、少しでも仮眠するもんだよ。早めに帰る?そして一度寝たらスッキリするかもしれない」
「じゃあ、もう少しゆっくりする予定だったけど、今日は早めに帰るね」
身支度する。ワンピースを着る私の背中を先生がなぞる。ジッパーを引き上げてくれる。こうゆう時、自分の本音がわからない。つい先生に対しての正解を探してしまう。
ホントに帰っちゃっていいのかな、と少し思う。‘‘もう一度一緒に眠ろう‘‘って言われたかったかな?いや、例え一緒にまたベッドに行ったとして眠れる気はしない。それに今、私は帰りたい。帰りたいっていうか、一人になりたい。
玄関でキスをする。
「次はあんなに沢山お土産持ってこなくても良いからね。昨日行けなかったあのレストランに行こう」
何となく手ぶらじゃ申し訳なくて、今回も日持ちするツマミを持参したけど、先生はそれをとても気にしてた。次のお泊りの約束も決めている。次はもっと早い時間に会えるから、近くのレストランで食事をしようって昨日も言ってた。私また泊っていいのかな、とふと思う。
私の荷物を持ってくれて、駅まで送ってくれる。いつも通りにお喋りしながら歩いてた。先生と一緒に居るのは楽しい。だけど今私は一人になりたい。それがなぜだかわからない。わからないけど、先生も同じ気持ちなんじゃないかと感じてた、きっと一人になりたい。それは私の事が好きとか嫌いとかじゃない、一夜明けの賢者タイムみたいな?
地下鉄の出入り口でバイバイして、電車に乗って、車内の人気が少なくなってきて空いた席に座った。ホッとした。
そういえば男達と会ってバイバイしたあと、いつも私はこの束の間の安心感を味わってる。もう少し一緒に居たいと思う時もある、でもホッとするのは変わらない。何だろう。
ああそうか、私はもう、自分以上に誰かを愛せないのかもしれない。
昔はとても依存的で、恋人は自分の片割れな気がしてた。いつでも一緒にいたくて離れたくなくて、バイバイする時に泣いたりしてた。グズグズと遠回りしたり、次の約束を決めたがったり、永遠を約束させようとしたりした。
気付いたら今は、誰ともその瞬間だけ愛し合いたいと思ってる私がいる。この前先生も同じような事を言ってた。ある意味私達は、自律しすぎて頼る事もないのかもしれない。ただ一時肌を寄せて、その時間だけ楽しみたい。
恋人とかセフレとか関係性はどうでも良くて、ただ自分の腹の中を全部見せて‘‘私を愛して‘‘ってやり方は、今の私には幼な過ぎる。それぞれの足で立ってる、それぞれの生活があり、自分の人生の課題に取り組んでる。そうして会った時はそのことを話したり、傷を癒したりする。
いつの間にか私は、かなりクールになってたのかも。
まぁ、本当に寝不足なのと、初めてのお泊りで不慣れと言うのもあるのかな。あとは先生とのペースがよくわかってないから、ずっとベタベタするよりは、泊った翌朝にサッパリと潔く早く帰る方がお互い良いのかも、など思う。だってお互い自分の時間は自由に使いたい同士だから。
最寄り駅に着くころ、先生に無事の到着とお礼のラインをした。
こちらこそ、来てくれて嬉しかったです。あまりよく眠れなくしてすみません。
次回は熟睡できるようにしますので、また是非来てください
あれ、私は先生も一人になりたいと思い込んでたけど、いや確かにあの瞬間そう思ってたハズだけど、先生は私があっさり帰ったことを少し悔やんでるのかな。初めてのお泊りだし初SEXだし、余計な事を悩ませちゃったかな。
それに…また泊っていいのかな…おうちに行っても泊まらないで帰った方がいいのかな、など色々思う。今考えても、私がその時どうしたいか、だよね。
ってか熟睡できるようにするって、どうゆうことだろう。面白いな…と思いながら返事をしないまま。
先生を安心させてあげたいけど、自分の気持ちをもう少しよく見て、自分がどうしたいかわかってあげてから返事をしたい。先生の事は前より好きだし、また会いたいと思ってる。だけどすぐそう告げるのは、なんだか安っぽくて自分を蔑ろにしちゃう気もしてる。勿体ぶってたらフラれちゃうかもしれないけど、不安からの選択はしたくない。
何にプライオリティを持ってるのか、新たな自分の発見。だから恋って面白い。
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