人妻の気紛れで自堕落な生活

人妻の夜遊びとか不倫とか時々仕事とか

満月のキス

ファイターと4度目デート。
私にとって3度目を超えるということは、それなりの進展をしたい気持ちがあるって事で、それはだいたい最初に会う男全員に話してる。だいたい3度会えずに脱落するか、3度目に私が嫌になるパターンが多いから。

 

3度目まではプラトニックとは言え、そこそこ積極的だったファイター。3度目デートの時に4度目のデートも積極的に詰められたけどその日は寿クンと約束してたので、私が別の候補日を立てて会うことに。一応ハグも手繋ぎもしたから、次はキス位はしたいし、キスが良ければその先にも進みたいところ。試乗して最悪なら時間が勿体ないお年頃だし。

 

前回のデートはこんな感じ↓

jurinrin.hatenadiary.com

 

待ち合わせはいつものところで19時で良いかな

 

いつものところ…こうゆうのちょっと嬉しい。結局また夜デート。なんだかんだって私がファイターに合わせてるのが悔しい気もするけど、会えるのは単純に嬉しい。

いつも通りに駅で待ち合わせして居酒屋で飲む。

 

「はい、これがホントの私の名前」

 

乾杯の直後、名刺を渡した。

 

「え、名刺?貰っていいの?」

 

「今日で4度目だし。ファイも次会ったら名刺ちょうだいね」

 

「うん、今日持ってなくて・・・あ、俺の本名は●●××」

 

「あのさ、4度目なんだよ、今日は。なんで名刺持って来ないのよ」

 

「そうだよね、3度目クリアする男がいないって話してたよね」

 

あーなんかガッカリ。この人は、私とどうしたいんだろう。ワンチャンと言うわけではなさそうだけど、口説きたい訳でもないのかな。よくわからない。年上とばかり付き合ってきた男は空気読めないんかな?

結局いつも通りに3時間飲んで、そろそろ帰らないとって話になって、ファイターが会計してお店を出た。

 

「ねぇ、ファイは私とどうしたいの?いまどんな感じ?」

 

「今は…今日名刺貰って、これからちゃんと真剣に考えて…」

 

「あのさ‘‘お試しで付き合う‘って私の提案を拒否ったのはそっちじゃん?ちゃんと付き合いたいとか言っちゃって。だから名刺持ってきたのに、そんなグズなら他にもオファーありますから!」

 

「いやちょっと待って、俺さ前の彼女のトラウマって言うか、すごかったから色々と束縛されたり」

 

「前に聞いたよ。でも私はそんな面倒な女じゃないし、もういい歳だから結果出せないなら別のオファーを試すだけ」

 

「確かに連絡の頻度とか、ほんと寛大だなぁとは思うけど」

 

「こんなんでセックスして全然ダメなら時間が勿体ないし、その前にキスがダメならセックスする気にもならないし」

 

「え、じゃあキスしよ」

 

「いいよ、どこで?」

 

あーもうイライラする。キスぐらい私の腕を掴んで、そのまま引き寄せて強引に済ませて欲しい。最初がファイターだっただけに私も期待しすぎなのかもしれないけど。

そうこうしてるうちに、もう駅に着いちゃった。半分怒ってる私はそのまま改札を通る。ファイターも付いてくる。同じ方向で一駅違いだから乗る電車も一緒。大きな駅だから人もたくさんいるし、ここでキスって感じじゃないよね。

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電車に乗り込む。

 

「〇〇駅まで行くかな、いやそれはまずいかな」

 

「・・・・」

 

「いや、次でちょっと降りよ」

 

次の駅は住宅街の中。乗り降りする人も少ない。電車が止まる瞬間、手を引かれてホームに出る。そのままホームの後ろまで手繋ぎ。ちょうど工事をして作られている壁に私を押し付ける。片手は繋いだまま。

 

ああ、今日は満月なんだ…ホームから見える月を見てた。

優しく前髪をかき上げられて、頬をすっとなぞられてそのままキス。

軽く触れる、すごく優しくて柔らかい。

ゆっくりと唇を離して、もう一度どちらからともなくキス。

何度も唇を触れ合わせて離してを繰り返して、そのたびに見つめ合って。

そのまま肩を引き寄せられて舌を絡ませる。

 

唇がじんわりと感じてしまう、思わず吐息が漏れる。

肩に置かれた手はいつの間にか私の腰に回り、私もファイターの首に手を回してた。

 

私が向いている方向に、反対側の電車が停まる。

 

「人が見ちゃうよ」

 

「ただのバカップルだと思うよ」

 

顔を近づけてクスクスと笑い合って、電車が動き始めるとまたキスをして。

ファイターの首に回した私の手は、いつの間にかファイターの背中から腰をなぞってた。

 

「うわぁ、エロい」

 

キスした直後、唇を離す私の顔を見てファイターが叫ぶ。

知ってるよ、ってか計算し尽くしてる顔だよ。ちゃんと私に欲情して?

 

「意外とガタイいいのね」

 

「見た目通りに華奢だよね」

 

「え、そうかな、細くは無いと思うけど」

 

お互いの身体に触れながら、感想を述べてる。変な風景(笑)

ホームの工事員が時々見てるけど、気にしない。

 

「胸大きい」

 

「これは盛ってるだけで、そんなにないよ。大きい方が好きでしょ」

 

「そんなことない、俺はおっぱい星人じゃない」

 

「じゃあ、次は抱いて」

 

またキスをする。今度は長く濃く。

キスの相性は良い。全身の力が抜けそうになるのを、腰を強く抱かれて身体を預ける。

 

私達が乗る電車がホームに到着するアナウンスで、離れようとする私の腕を引っぱるから、私はまたファイターの身体の中にすっぽりと包まれた。

 

「待って、もう少し…」

 

もう一度唇を重ねる。こんなキス久しぶり、キスだけでイケそうな程に良い相性。キスフレでもいいなぁってボンヤリ思う。

 

電車に乗ったら、殆ど乗客がいなかった。

 

「またキス出来るね」

 

「車内で?」

 

そう言いながらマスク越しにキス。

ファイターの肩にに頭を乗せて、時々目を合わせて、またマスク越しにキスする。

このまま強引に連れ込んでくれればいいのに。

 

だけど、ファイターは自分の最寄駅で、私の頭を軽く撫でて、しっかりした足取りで電車を降りた。私は彼の後ろ姿を見ながら、この先の事を考えてた。

 

つかみどころのない飄々とした男だけど、ここまで来たら一度は寝てみたい。もうかなり久しぶりに、この男が欲しいと本気で思ったし、キスも良かった。

だけど…

 

いつも詰め寄るのが私で、決めるのも私。最初に見せたガッツはどうしたんだよって思う程受け身の男であることに、少し苛ついてる。

寝てみたいのは単に興味で恋じゃない。3度目まではうっかり恋しちゃいそうな雰囲気だったのに、悉く私の期待を裏切るのは何故だろう。相性?今日が満月だから?

 

満月だったね、素敵な夜だった。

ありがとう、ご馳走様。無事に着いたよ

 

満月だったね、俺も楽しかったよ。またね

 

家に着いてから、そんなやりとり。

もーちょっと私に食らいついても良くない?なんなのこの変な余裕っぷり。

 

どうせまた、私が言い出さないと次の約束も進まない。

少しメンドクサイ。情熱的なのは満月だったからかもしれない、と思ってる。

もう手間のかかる男は寿クンだけで充分だし、もっと私を楽しませてくれる男が欲しいんだけどなぁ。

 

どうなるかな(割と他人事)

 

・・・

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