そもそもの原因は、初夏からずっとホテルに籠るデートしかしてないこと。
最初はたまたま雨予報でどこに出かけるにも不便だから、寿クンに『ちょっと良いホテルのデイユースでゆっくりするのはどうかな』って私から提案した。その後は真夏になって暑くてとても歩き回れないから、同じエリアの別のホテルのデイユース。寿クンと私がちょうど電車で待ち合わせられるベイサイドには、ちょっと良いホテルがたくさんあるから、まるでスタンプラリーみたいにデイユース使いするようになって。
温泉があったりプールやジムがあったり、それなりにホテルステイも楽しかったし、お互いお酒が好きだから電車で待ち合わせできるのも良かったし、何より真夏はエアコンの効いた個室で、海を眺めながらまったりできるって最高と思ってた。だけど「涼しくなったらお出かけしようね」「また登山行こうね」「水族館も宣言明けたら行きたいね」などと、私としては秋のプランはもっとアクティブなデートにするつもりだったし、それは寿クンも同意だと思ってた。
私がどうしてお籠りだけじゃ嫌なのか、それは元彼が極度に人に観られることを恐れるタイプで、朝9時に待ち合わせてそのままホテルに入り、夕方5時まで一歩も外に出ない付き合い方だったのが少々トラウマになっていることと、好きな男とは同じ感動や体験をして、日々それを反芻していたいと常々思ってるから。それは彼氏にもシマリス君にも寿クンにも、付き合う初めに必ず話した。
「だから私とは、ちゃんとデートしてね。たまにはお籠りでも良いけど、私はただホテルだけに行く関係は嫌なの」
だいたい付き合い初めには私が諸条件を出すけど(その条件はその時々と男によって微妙に違う)デートのプランについては全員必ず告げている。約束をしっかり果たすタイプの彼氏はそれを忠実に守ってくれていて、だいたい食事や買い物を一緒にしてからホテルに行く流れ。たまに私の車でドライブすることもある。シマリス君は元々どこか少し遠いところに泊りに行くのが好きだし、寿クンも最初は色々デートのプランを考えてくれてたんだけど。
9月に入ってもまだ暑いし、寿クンはデイユースのお籠りデートを気に入ってるから9月は仕方ないと思ってた。その代わり10月と11月は二人で旅する予定を組んでたから、旅行に行けば嫌でもアクティブに出かけるし、籠ることはないと思ってた。
私は子無しのフリーランスなので、一般的な同年代女性の、子供がいる人や会社勤めしてる人より自由な時間は作れると思うけれど、人脈がビジネスに繋がるから日々は忙しい。そのうえ趣味も社交も男も多くて、スケジュールは割と詰まってる。仕事関係の予定や私の男達とのデートとは別に、プラトニックなボーイフレンドや飲み友達、女友達とのアポも入れると、毎月調整がけっこう大変。しかも冬はウィンタースポーツに本気で取り組んでるので、シーズン中はかなり家を空けて山に籠る。そんな私が毎回やりくりして頻繁に会いたがる寿クンとのデートの時間を捻出してるのに、そのデートが充実していないことに私は少し前から不満を抱えてた。
そして忙しい私に、寿クンはいつも拗ねる。本人は無自覚なのかもしれないけれど、私にはわかる。結局、私が彼の居ない場所で楽しんでいることが嫌なのだ。だから私が忙しい時に限ってどうでもいいLINEを送ってきたり、電話で話したいと言い出したり、会えなくて淋しいとか、先の予定が決まらないと不安とか言い出す。
私は男を全力で愛したい。男の願いを叶えてあげたい。だから出来るだけ寿クンの気持ちに応えてきた。ただ男の願いを叶えてあげる事と私が我慢することは違うから、私のしたい事はするし、してほしい事は会う度言い続けてきた。デイユースにしてもそう。
涼しくなったらどこかに行きたい。もっと寿クンと同じ体験や感動をしたいな。
旅行もあるし、色々楽しみだね。
このセリフ、何度言ったかわからない程に伝え続けた。その度寿クンも『うん、そうだね』とか『行こうね』とか言ってたけど、結果的には何にも聞いてなかったんだと思う。
2度の旅行の予定がどちらも寿クンの不運でキャンセルになり、そのうち1度目の予定はリスケしたにも関わらず、それも重なる不運でダメになった。秋に旅行を2度計画したのは寿クンの事情もあるけど、冬は私がすごく忙しいからって事情もあったので、私にとっても残念な結果ではある。
それとは別に10月のデート予定の日、2回約束した2回ともホテルのデイユースを予約したってLINEが来て。
なんだかそれで、私の中の何かが崩れた。ずっと訴え続けてた事を受け入れてもらえてなかったのは根本的にお互いの望みが違うんじゃないのかと思い始めて、すごく惨めで淋しい気持ちになった。こんなに頑張った、でも報われなかった、何も伝わっていなかった。
これから冬になるとりーちゃんのシーズンが始まるから、先の予定が立たないし、寂しくなる。
私は今までも、寿クンとの時間を作って来たし、これからも作るよ
本当に?安心した!
ホントウニ?アンシンシタ!
プツン…私の堪忍袋が切れた音。
信用無いね、わたし
信じてる、大丈夫だよ
え、何が大丈夫なの。信じてる人に疑うような事言わないよね?
‘‘本当に?安心した‘‘って、不安で信じられなかったってことじゃん。
いや、寿クンは信じる信じないってレベルじゃない。単に自分を優先してもらえないことに不満があるんだと思うし、そうゆう愛情の測り方をしてる、きっと無意識に。それならもっと暇でカマチョの女と付き合えばいい。私は暇じゃない。だけど寿クンとの時間をすごく頑張って捻出してきた。
愛とは言葉ではなく行動、私の行動を信じられないならもういらない。私はこれ以上は頑張れないし、頑張った結果私の欲しい結果を手に入れられてない今、私達が続けていく意味は見出せない。楽しくない不倫なんかいらない。身体の付き合いだけならセフレで充分、彼が私の恋人で在る必要はない。
その後、寿クンが謝って来たから普通に話してたけど、私の心は霧の中。
どんなに好きな男でも、自分が辛いならその不倫はいらないものと決めているから、もしも寿クンが何も気づかなければ、私は容赦なく捨てる。その覚悟を決めていた。
【続く】
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