ただ奢ってもらっただけでした - 人妻の気紛れで自堕落な生活

ご新規昼飲み。

数回やりとりした人が『来週昼飲みしませんか？〇〇で』と誘ってくれて、〇〇は最近全然行ってなくて、久々に行きたいなぁって思ってた昼飲みのメッカだから、二つ返事でオッケーした。緊急事態宣言だけど無法地帯だし、サクッと午後から飲んで帰る。もしもお相手が良い感じだったら尚良し(笑)写真は見たけど普通のリーマンって感じだし期待はしてないけど、主たる目的は昼飲みって事で。

服装など尋ねられたので、待ち合わせ当日の朝に自分のその日の服装を写メして送った。もちろん顔もバッチリ映ってる全身写真。そうしたらお相手の返事が

すごく綺麗でスタイルが良い方なので緊張してきました。お会いできるのが光栄です

って返事。お世辞でも嬉しい。スタイルは胸も無いし良い訳じゃないけど、体脂肪18％なので太ってはいないのと、背が高いので着映えする方だと思う。でも着物が一番似合うんだけどな。

それまでもメッセージでは『居酒屋か立ち飲みで飲みましょう』みたいな話をしてたのに、写真を送ってから急に態度が変わった。

じゅりんさんは御煙草も気にされてたし、少し離れた△△辺りのイタリアンでワインでもどうでしょう？

とか言い出す。それじゃあ昼飲みのメッカに行く意味無いし、あの街で飲みたいからイヤだ。かつては愛人クンとよく待ち合わせた街、一人で行くとセンチメンタルな気分になってしまいそうだし、ここはやっぱり王道の昼飲みコースを堪能したい。

ってか何故この人、突然こんな気遣いし始めたのかなぁ。よほど私への期待度が低かったのかな。

いえ、昼飲み王道コースでお願いします。立ち飲みでも大丈夫なように足元はスニーカーにしましたから！

と、念を押して待ち合わせ場所へ。現れたのは写真通りの普通のサラリーマンと言う感じ。初めましての挨拶をして、王道コースが並ぶ道へと歩く。

「意外とこの辺もお店が閉まってたんですよ。やっぱり緊急事態宣言ですね」

「えーそうなんですね！無法地帯だと思ってたのに」

「まぁやってる店もたくさんありますけど、有名店の●●●とかはお休みしてましたね」

「下見してくださったんですか、ありがとうございます」

で、下見してくれてたらしいので、どこかお店の目星は着いてるのかと思ったら、大通りに出たらウロウロ…暑いしどこでもいいから、入ってまずビール飲みたい。

「あ、ここはやってますよ～」（さり気なく誘導）

「あーでもここは…もう少し歩きますか…」（勝手に歩く）

「あちらも通常営業ですね、席は空いてないかなぁ…あ、ちょっと席あるかも！」

「じゃあ、そこはどうですか？入ったことないお店なので」

「いいですね」（ってかそこ、どう見ても満席だろ？）

で、案の定満席。10分位右往左往して、やっとお店を決めて入店。ってか別にここ、普通の居酒屋だけど、さっき席が空いてた店とどう違うんだろ？むしろさっきのほうがお値頃だし、王道っぽいのに。もうこの人のエスコート最悪。

でも、とりあえず暑いしビール飲みたいしで従う。カウンター席の奥に座ろうとするから

「私、左利きなので奥に座っても良いですか？肘がぶつかっちゃうので」

と笑顔で言いながら、さっさと奥の席を陣取る。

「すみません！いやぁ、じゅりんさんがこんな美人なので、ずっと緊張しちゃって。ほんとすみませんすみません、荷物こっち置きますよ、そこ冷房は大丈夫ですか。ほんとすみません…」

やたら謝られてる間中、笑顔で「いえいえー♡」なんて応えてるけど、それより早くビール頼んでくれ。店員さんもこっちずっと見てるし恥ずかしいわ。

「じゃあ、先に飲み物頼んじゃおうかな？ビールにします？」

メニューにエクストラゴールドがある！それがいい！

「そうですね、じゃあ生ビール２つで」

ってかおい！そこは『エクストラゴールドもあるけどどうします？』じゃないのかよ？と思うけど、初対面だし言えない。多分この人の会計持ちだしなぁ～と変な気を回してしまう。ツマミも何も尋ねられることなく、適当にオーダーされてた。マイペースなシマリス君でさえ『食べたいものある？俺に任せる？嫌いなものはない？』って聞いてくれるとこだけど。まぁいいや、飲んじゃえ。

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で、この人商社勤めで、只今コロナバブルらしい。歳は同じだった。飲みながらアレコレと質問する。仕事の話のほうが語りやすいだろうと、ちょっとその商社の事を尋ねたら、会社名を口滑らすし、会社の内部事情まで話し始める。機密情報だろ？ってことまで言い出した。いくら緊張してるからってそれヤバいよねって事をペラペラ。ちなみに私、初見は何があるかわからないのでこっそり録音してる。こちらが録音してることなんか知る由も無いだろうけど、喋っちゃダメでしょ。情報漏洩だよ。

で、多分３杯目位で、酔いも回ってだいぶ饒舌になってきた辺りから、私を褒め称え始めた。

「ってか、じゅりんさんお綺麗ですねぇ、スタイル良いですよねぇ。同じ歳には絶対にみえません！こんな美人が隣で、久しぶりに〇〇で飲めて、僕は幸せです！」

「はは、ありがとうございます」

「ってか本当にお綺麗で、スタイル良くて、同じ歳には絶対に…」

と、壊れたレコードのように同じことを繰り返す。褒められるのは好きだし気分良いけど、ずーっと同じ事言ってるし、だんだん声が大きくなる。他のお客さんも増え始めてちょっと恥ずかしい。

「あの、他の話題ないですか？」

「え、他の話題ですか？」

「なんか最近面白かったこととか」

「えーっとですね…」

この辺からは、やたら勧められて日本酒飲んでた。私、お酒けっこう強いんで何を飲まされても平気なんだけど、日本酒飲ませたがる人って、女性のほうがお酒弱いと思い込んでる節がある気がする。そしてギブするのを待ってるような。私の偏見かしら？

で、サイトで出会った怖い女性の話と言うのを聞いたんだけど、実は似たような話を過去最低10人には聞いたことがある。同一人物か？って思う程に話が似ているし、話のオチもしってるので全然面白くない。

その怖い女性って言うのは、全然化粧っ気もない、髪がボサボサで肥満気味で、服に毛玉が出来てるような汚い身なりの女性が待ち合わせに現れて、セックスを強要されるって話。車に乗せられそうになるとか、男性の腕を引っ張ってラブホに連れ込もうとされるとか、いくつかパターンはあるけど、女性の身なりとその強引な手口は、だいたい同じ。これって都市伝説？

「でぇ、その汚い女性が、いきなり質屋に行くって言い出してぇ…僕も質屋についていったんですよ。それで何かお金と換金していて…そのお金を僕に渡して『これでホテルに行こう』って言われたんですよぉ…こわくないですかぁ？あはは」

質屋パターンは初めて聞いたけど、女性の身なりはいつもと同じ。全然面白くないけど日本酒は美味しい。

「ところでじゅりんさん、お綺麗で、スタイルも良くて僕は幸せでぇ…」

と、この汚い女性の話が終わったら、また同じ話のループ。いい加減ウンザリ。褒められないよりはいいけど、他に話題ないのかな？仕事の事と、私を褒める事と、汚い女性の都市伝説しか聞いてないけど、もう３時間経つよ。

そろそろ帰らなきゃ、と一応時計を見ながら言ったら、そそくさとお会計してくれた。何度か握手を求められ、またお会いしましょう、お願いしますと何度も懇願された。握手のふりしてそのまま手繋ぎしようとしたから、そこはしっかり笑いながら突っ込んで離れた。

駅まで送るって言われたけど、この商社マンが千鳥足でまともに歩けないので、途中で買い物するからとお礼を言って路上でバイバイ。散々飲んだし、行きたい場所だったから良かったけど次はないなぁ。LINEとか連絡先も求められなかったので交換無し。お互いの名前も、ずーっとサイトに登録した名前で呼び合ってたし、捨てるには楽だなぁと正直思ってた。

で、この人はハピメでマッチングした人なんだけど、ハピメは登録しておくとサイトのメッセージがメールで転送してそのまま読める（他のサイトはメッセージのお知らせはメールで確認できるけど、内容まで読めるのはハピメ優秀だと思うんだよね）

帰りの電車に乗ってたら、商社マンからサイトに届いたメッセージがメール転送されてた。

商社マンさんからのメールです

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今日はありがとうございました！もっと近くでお話したいのでまた会いたいです。

もっと近くってなんだ？？
まぁ次はないしなぁ、私的には。なんて返事しようかな…と思いつつ、とりあえず放置。家に着いて、お礼も兼ねて返信しなきゃと思ってサイトを開いたら

お相手は退会されました。

また、新しい出会いを見つけてください。

って、ええええー！その間約１時間程度！

何が起きてどうなったのかわからないけど、なんて好都合な(笑)

昨日は相手が潰れる程飲ませて、また会いたいと懇願されて、そのようなメッセージも来てたのに、後で返事しようとしたらコレ😂
ただご馳走になっただけの人😅あんなに｢綺麗だ美人だ、この時間が幸せ｣だって褒め称えられて、沢山飲めて、こちらがお断りする手間もかからなくて、ほんとスミマセン😂😂 pic.twitter.com/Ur1AybgWLN
— じゅりん (@3venIS1RCaT3IQu) 2021年8月27日