人妻の気紛れで自堕落な生活

人妻の夜遊びとか不倫とか時々仕事とか

ただ愛してるってだけ①

「今日でりーちゃんとのデート、11回目なんだよ」

 

寿クンは会ったなりそう言った。

 

「じゃあ、月イチデートのカップルなら、次で1周年だね。それ位の濃さだね」

 

「りーちゃん、そう来たか。そんな風にカウントするんだ…」

 

私としては、それぞれの男達とは月1回デートで回したいのだけど、寿クンは暇さえあれば私に会いたがる。一応『3週間は頑張れる』と言うから、だいたい2~3週間のサイクルでデートしてる。近い所に住んでれば頻繁な逢瀬でもいいのかなと思うけど、寿クンとは片道2時間ドライブの距離、あんまり頻繁だと日常生活に支障が出るレベル、でもそれを言ったとてあまり分かってもらえない。最近寿クンはちょっと沼ってる。恋に溺れて私を好き過ぎると錯覚している。

 

今回は主に私都合で寿クンにお迎えに来てもらい、ちょっと離れた公園に花を見に行った。雨ならお互い電車で行ける場所で、朝からラブホでお酒でも飲もうって話をしてたけど、曇り予報だからお出かけしたいって言い出す寿クンは、本当に脳内乙女なんだろうと思う。手を繋いで他愛ない話をしてブラブラと歩く。時々私の写真を撮影する。それがとても楽しいらしい。

 

ランチは公園の近くのイタリアンで。パスタとピザをシャアして食べようって、それぞれ一品ずつオーダー。

パスタは寿クンが選んだ海老のジェノベーゼ、ランチだからなのか、ガーリック控えめで美味しい。

 

ジェノベーゼって何だろ?」

 

「ソースの種類だよ。バジルとガーリックとオリーブオイルで炒めて作るの。ちょっとチーズも入れるかな。ほらこの緑のソース、これがジェノベーゼソース」

 

「りーちゃんはジェノベーゼが何かを知ってるし、作り方も知ってるんだね。そうゆう回答の仕方が、仕事できるんだろうなって思うんだよね」

 

「あ、今私、余計な事言いすぎた?」

 

「そうゆう意味じゃなくて、俺尊敬してるの」

 

私はこうして、自分でも知らずに寿クンのプライドを傷つけてるのかもしれない、と時々思っていた。ソースに限らず彼の知らない世界を知っていること、それはいくら乙女脳の寿クンでも、男としては面白くないんじゃないのかなぁって感じてた。だけど今日は、あまりそれを感じない。寿クンが割とスッキリとした表情に見える。でも何だか違和感、これ何だろう。

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食事の後、コーヒーを飲みながら寿クンが語り出した。

 

「俺さ、自分の世界がとても狭いの。跳ねても天井に頭打って、同じ高さを行ったり来たりしてるって言うかね。でもりーちゃんは、そんな天井がまるでないみたいに、突き抜けていくんだよね。最初は不思議な人だなぁって思ってた。でも今は、りーちゃんが空けた天井の穴から、外を見てる。そうゆう気分なんだ」

 

「なんかさ…違ったらごめんね。もしかしてすっごい私との事とか、不倫の行く末とか考えたりして無かった?」 

 

「え、なんでわかるの?実はこうゆう関係って将来どうなるんだろうって思って、You-tube見たりしたんだけど…」

 

ああやっぱり。スッキリした風なのに感じる違和感。 

実はこのところ、ずっと寿クンの焦りを感じてた。蜜月の高揚感が薄れて、今度は現実的に私の気持ちを推し測り始めてる。そのことはもうずっと気付いてはいた。

 

「やっぱり。なんか沼ってるんじゃないのかなぁとは薄々感じてたんだよね」

 

「沼ってるって?」

 

「今みたいな事考えてることを‘‘沼る‘‘って言うんだけどね。それで寿クンなりの結論は出たの?」

 

「そのYou-tubeさ、不倫相談でさ、先の事より今を大事にしましょうって言ってて。それまで俺も将来りーちゃんにフラれちゃうのかなとか、何年こうして付き合えるのかなとか、色々思ってたんだけど、今を大事にって本当にそうだなぁって思ってる。会えないの嘆くより、会える時間を大事にしなきゃって」

 

「そっかぁ。寿クン、乙女脳だし不倫童貞だから、色々思うこともある訳だよね。もう私達、蜜月を過ぎて少し冷静になる時期だし」

 

とは言っても『会える時間を大事に』って模範解答は、まだ彼の中で定着していない。そうゆうものと頭では分かっていても、心には杭打ちされてない。

 

「そうなのかなぁ…でもずっとりーちゃんと一緒に居たいなって思うと、いつまでいられるとか考えちゃったりするのが止められなくて…会えなくなるきっかけとか想像したり」

 

やっぱり…

これはちょっといい加減言っておかなきゃ。そして安心させなきゃ。

 

「そうゆうの、奥さん気付いちゃうから考え方を変えよう」

 

「そうゆうもんなの?気付くかなぁ…何も言わないけど俺」

「あのね、不倫のメリットって、まず自分の家族に優しくなれることだと思うんだよ。家族に迷惑をかけちゃダメ、それは一番してはならない事。私ね、こうして寿クンと会えて幸せだなって思えたら、私の心に余裕が出来るの。その余裕で家族にも周りにも優しくできる。その恩恵を一番に受けるのは配偶者」

 

「うん」

 

「だから、不倫で優しい気持ちになることはアリだけど、不安になったり悩んだら元も子もない。まして頭の中私の事でいっぱいになって、奥さんの前で溜息なんかついちゃったらさ、もう奥さんはピンと来るのよ女の勘で。でね、どんなに愛が冷めたと言ってる夫婦でも、配偶者が不倫してるって分かると気分は良くないの。それは愛じゃなくプライドの問題だから、バレちゃいけないの」

 

「うん(メモを取る)」

 

「だからね、寿クンが不安にならないよう順を追って説明するから、家では少しだけ家族に優しくして。私と居て幸せなら尚更だよ」

 

「そうかぁ…俺、全然家で話もしないから」

 

やっぱりそうだと思ってた。彼はずっと孤独を感じてたはず。だから私と言う藁に縋って、それが全てと思ってる。まだ自分を満たす術を知らない。

 

「少しだけだよ、ほんの少しだけ優しくするんだよ。あったかい気持ちが今私達の間にあるでしょ?それを少しお裾分けするんだよ。私は誰も傷つけたくはないの」

 

「そうゆう考えなのか…でも俺の気持ちは湧いて出るって言うか、急に不安になったりするんだよね」

 

「わかるよ。特に寿クンは気質的に先を考えて不安になりやすいと思う。だけど私達、明日生きてる保証なんかどこにもないの。いつこの関係が終わるかもわからない。そんなわからないことに思い悩む暇は勿体ないでしょう?」

 

「そうなんだけどね、理屈ではね」

 

「だったら私の好きな所を思い出して、私を心で抱きしめて。その時心は寿クンの傍にいるから、会えてなくても心は傍にいるから大丈夫だよ」

 

「りーちゃんがそう言うと、そんな気がする…でも…」

 

「わかる、でも会いたいよね。私が忙しくて色々予定があって、自分はその隙間に置かれてる気がするんだよね?寿クンは乙女脳だからそうだろうと感じてた。でもさ、もしも私が毎日会いたいって言ったらどうする?」

 

「…困る…」

 

「乙女脳でも性別は男性な訳だから、好きな人に毎日会いたいって言われたら、どうにか会ってあげたいって思っちゃうんじゃないのかな?」

 

「出来るだけ会う方向で頑張ると思う。でも毎日は無理だからプレッシャーになるかも」

 

こうしてひとつずつ丁寧に説明しなきゃって前から分かってた。

自分の気持ちが溢れて、でもそれを私にぶつければ嫌われると思ってる。でも溢れる気持ちは恋であって愛じゃない。恋って自分勝手なモノだってことを、寿クンはまだ気づいていない。

 

「そうなの。私達、今は寿クンが満足するほど会えてないと思うかもしれないけど、これが1週間に一度会ってたとしても5日に一度会いたいって思うだろうし、5日一度会えてたら3日に一度会いたいって思うだろうし、3日に一度会ってても毎日会いたいって思う。キリがないんだよね」

 

「確かに、もうちょっと会いたいと思うけど、その加減は分かんない」

 

「そうして若くて独身なら、毎日いられるようにって結婚したんじゃない?」

 

「あー確かに…」

 

「で、毎日会える結婚という制度を利用した結果、いまどうなの?」

 

「‥‥」

 

「ねぇ、会えない時間は、心での逢瀬の想像で自分を満たすの。これからはそうゆう力をつけていくの。そうして自分で自分を幸せな気持ちにしてあげるの。不安からは何も生まれないことを知っていて。それでも不安になったら私を心で呼んで。私もそうしてるから」

 

「りーちゃんもそうしてるの?」

 

「そうだよ。私だって毎日会えるなら会いたい。でも私達は、誰も傷つけたり迷惑をかけちゃいけない関係なの。日本は法治国家だから不倫はあってはならないの。そうゆうルールだからそれが正しいか間違えかじゃなく、そう見せかけなきゃならない。だとしたら、誰も傷つけないで私達が幸せを感じる時間を持つ適切な頻度って、お互いの仕事とか住んでる距離感とかも考慮するとね、2~3週間に一度会えてるだけでもすごい頑張ってると思わない?」

 

「りーちゃんはそうゆう風に考えてたんだ」

 

「もちろん私だって感情は別だよ。例えば社内不倫で、毎日顔見れる関係だったらいいのになぁとか、私も思うよ。でもさ、なるべく自然に家を空けて、仕事に穴も空けず、こうして会えることが大事だと思うの。それこそ細く長く会い続けられたらいいなって思うのよ。それに会えない時間は苦しい時間にはしないこと。それには訓練が必要なの」

 

「うん、俺も訓練するよ。なんでかな、りーちゃんと俺とは釣り合ってない気がしてるから不安でたまらないことがある」

 

「わかってる。ちょっと待って、そのことは頭で整理して後で話すから…今ちょっと脳内酸欠」

 

いっぺんに説明しすぎたかもしれない。

でも地頭は良い寿クンは、メモを取り真剣な顔で私の話を聞いている。

 

「ああ、ごめん。でもどうしてりーちゃんは、そんな風に考え方を組み立てられるの?なんだかすごいね」

 

「理由は二つ。私は何度か不倫してるから、不倫の特性を理解してると思う。寿クンは初めてだから、まだ恋愛に翻弄されてるの。でも大事な事だから、分かってほしいし私の思考に追い付いて」

 

「うん、がんばるよ。りーちゃんのもう一つの理由は?」

 

それは、とてもシンプルで当たり前の事。

 

「それは、私がアナタを愛してるからよ」

 

そう、確かに私は寿クンを愛してる。それはきっと寿クンがわかっていないこと。

(続く)

 

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