寿ｸﾝと、初めての都心でデート。
朝早くからお互い電車で来て待ち合わせて、モーニングコーヒーを飲んで、水族館に行って、ビールの飲み比べランチして、お買い物して、お散歩がてらリバーサイドでお茶して、そのまま一駅歩いてお寺を散策して、また電車に乗って帰り道の途中のラブホへ。しかもa●anに掲載されたという、オシャレなシティホテルをちゃんと調べてくれてた♡5時間ラブラブ。
すっかり夜まで一緒に過ごして、途中まで同じ電車で帰って、先に電車を降りる私の手をちょっと握って、ホームに降りる私をドア前で立ってずっと見てる寿ｸﾝ。
電車を降りたら切なくなって歩き出したけど、階段を降りずに電車が動き出すのを待ってたら、やっぱりドア前で立ったまま私を見送ってた寿ｸﾝの姿が見えてキュンとした。
一瞬お互い手を振って、笑顔を作ったけど泣きそうになった。こんなの独身の頃以来。
彼氏とバイバイする時は、同じホームから反対方向の電車に乗る事が多いけど、必ず私が見送ってから電車に乗る。彼氏はすぐ座席に座るし、私はいつも笑顔で手を振る。
星野ｸﾝとは途中まで同じ電車で、星野ｸﾝが先に降りるけど、私は座ったまま笑顔でバイバイ。どっちにしても泣きたくなるような気持ちになることは無いんだけど、寿ｸﾝとは朝からまるっと一日一緒だったからかな。それとも寿ｸﾝと私が、何故お互い惹かれ合うのかが明確にわかってきたからかな。
そう、わかってしまった。寿ｸﾝと私は、身体だけじゃなく心もシンクロするってこと。私の方からシンクロすることはできないから、寿ｸﾝのほうがシンクロしてくるんだけど。シンクロって言うかチャネリングというやつ？よくわからない。
もちろん誰にでもできるんじゃないみたいだし、本人曰く初めての体験らしいんだけど（ホントかな？）それでいつも私の情報を集めてたみたい。ストーカー気質なのかと思ってたけど違った。でもそれで他の男の存在とか気付かないのかなー？とか、ちょっと思う(笑)
私の気持ち…喜怒哀楽や、ぼんやりした希望がわかるらしく、ビックリするほど今回のプランは私の理想通りで驚いたし、更に私の予想を上回るサプライズもたくさんあった。もちろんセックスもとてもよかった。お互いにまだ離れたくないって思える人って本当に久しぶり。時間がどれだけあっても足りない感覚。ああ、寿ｸﾝのことを諦めなくて本当に良かった。短気を起こして捨てなかった私、偉いぞ。
そう思うと、この数年で私の男の質は、ぐんぐんと良くなったと思う。
寿ｸﾝは最初こそ色々難ありだったけど、今は本当に理想的な人で、とてもとても大事にされてると思う。私はこれだけ男に尽くされる価値がある女、愛情も優しさも受け取る価値があると今は思える。そうして受け取った愛を私の中で培養して、もっと大きくして与え返したい、そんな気持ち。まぁ寿ｸﾝ以外の男にも与えたいのは内緒だけど(苦笑)それすらもう、寿ｸﾝはわかってるのかもしれない。
不倫初期は、私は自分の価値が全く分からなかった。だから私を好んでくれるというそれだけで、恋に落ちてた気がする。
年下の男にとって‘‘自分は冴えない年上女‘‘という思い込みが激しすぎて、頼まれても無いのにアレコレ尽くしたり男の世話をしてた。可能であればデート費用も少し支払いたかった。ご馳走になったり、ラブホ代を男に払わせたりするのは申し訳ないと感じてた。私なんか構ってくれるだけでも十分…と、愛を受け取る器を小さく見積もって、自分の欲しいものを少なくしてた。そうして手に入ったもので満足したフリをして、日々の小さな幸せを噛み締める風の偽善者になってた。先回りして男の機嫌を取って、そうして疲れて自分が嫌になってた。
男からのたった一言のLINEで舞い上がり、たった一言の返事が来ない事で悩み、やっぱり自分は愛される価値が無いと、自分に責任を持たせることで無理矢理納得してたところがあった。ホント一人芝居だったな。男なんてきっとなーんも考えてないのに。
今はLINEなんかどうでもいい。ただの連絡手段。
そんなことより会ってる瞬間、愛もお金も使って大事に扱ってほしい。いつまでも私を離したくないと言われたいし、いつでも私を褒めそやしてほしい。
そんな風に思っちゃいけないと心を封じてた。そうゆうのは傲慢だし、よほど若くて綺麗な‘‘価値のある女‘‘だけの特権だと、自分には全く縁のない世界だと思ってた。
欲しいものを欲しいと言えない、それはもう小さい頃からずっと、そうやって我慢することに慣れてたから。恋愛とは我慢の連続だと、どこかで思ってたから。
そうして我慢するのは、自分には愛される資格が無いから、愛されるためには我慢することが必要だと思ってた。でも我慢して愛されても、それは私が本当に望んでることじゃないからずーっと不服。
今はこんなに自分の欲求に正直で奔放な私でも、過去は底辺の恋愛で不倫だったし、そこから脱したかった。だから男の質を向上しようと色々試してみた。人に歴史あり、女に過去彼氏あり。ほんとクズな男と随分付き合って来たなぁ。
既婚男性の場合、正直なところは『まずセックスしたいし恋愛もしたい、家庭は壊したくない』というセックスありきの彼女探しなんだと思う。別にそれでいいと思う。私も不倫はセックスありきだと思う。
だからセックスが終わると割とすぐ帰りたがるというか、デート終了って感じなのは仕方ない事だと思ってた。それぞれ帰る家が違う以上、気持ちもリセットする時間も必要だし。でもどこかでそれにちょっと不満も持ってて、自分の不満に『それは贅沢すぎやろ？』と突っ込んでたりもした。だけどやっぱりセックス終了と共に早め解散なのは、なんだかちょっと寂しいなぁって思ってたから、温泉デートで一泊して、翌日もランチしたりお買い物してから送り届けられるシマリス君とのデートは、自分の価値を思い出させてくれる感じがとても良きと思った。
だけどシマリス君にとって、私とのデートはアトラクション感覚なので（もちろんそれもアリだと思うけど）もっと日常的に私を求めてくれる人、大事にしてくれる人と出会いたかったのが本音。
結局私はそこに辿り着く。カジュアルな恋愛も、セフレ感覚の付き合いも、それなりに魅力的で体験したいと思ってたけど、やっぱりもっとズブズブに愛し愛されたい。恋愛モードじゃないとダメなのね。
彼氏との距離感は私には少し物足りない。だけど彼氏の性格的にそれ以上を望むのはきっと難しい。理性で自分をコントロールする人だから。同じ熱量で愛し愛されるって本当に難しい。
自分の求めてるモノに気付いていたし、望んでいたけど急いでも無かった。それに、ズブズブに愛し愛される人って、きっともっと運命的で衝撃的な出会い方なんじゃないのかなぁって想像してた。だからそれが寿ｸﾝとは思わなかった(笑)
寿ｸﾝとは同じ熱量か、やや寿ｸﾝのほうが熱量多め。女が幸せ感じるのは、やっぱり男の熱量がやや多めのほうがバランス良い気がする。だって女が頑張らなくてもいいもんね。それって守られてるって感じでとても居心地よい。それに寿ｸﾝには色々趣味があるけど、いま一番の趣味は‘‘私‘‘だろう。趣味とは道楽で、時間もお金がかかるモノ。好んで繰り返し味わうものなのだ。だから彼は会えない時間もわたしを好んで思い出し、写真を愛でて私を想像する。そうゆう愛され方を私は望んでた。
でもけっこう頻繁に会ってるし、デート代もほぼ寿ｸﾝ持ち。私にはその価値があると今は思う、デート代出せない男は不倫すんなって思ってるけど、彼氏やシマリス君みたいに経費にできる訳じゃない人だから、ちょっと心配になった。
「それくらいしかかっこつけれないから、俺にかっこつけさせてよ」
そう言ってくれてなんだか更に愛着が湧いた♡そうだった、男には見栄を張ってかっこつけてほしい。それも私の願いだった。
「だったら私に愛もお金も使ってね♡だけどそんなに高価なことをしてほしいわけじゃないよ、一緒だったらずっと楽しいから」
サラリと口から出た言葉。あー私の本音はそうゆうことだったのか、と自分でも思った瞬間。一緒だったらずっと楽しい、ホントにそうだなぁって思う。
絵に描いたような蜜月期。寿ｸﾝは『りーちゃんとやりたいことリスト』を作ってて、そこには行きたい場所や楽しみたいことがたくさん書かれてた。こんなに浮かれてて私達大丈夫かなぁって時々思うけど、もうこのまま流れに身を任せようと思う。私は自分が思うよりずっと、今は寿ｸﾝが好きなんだろうな。
とか言って、デートの翌日は彼氏とのランチのお店探しながらLINEして楽しかったり、ご新規との初面談を段取ってたりするんだけどね、ソレはソレ(笑)
・・
緊急事態宣言解除されたら、一人旅に出たいなぁ。
春には寿ｸﾝと1泊デートも出来そう。
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