男の恋愛は会ってる時が大事で、女の恋愛は会わない時間も大事。
だから女は男のLINEに一喜一憂するけど、男にとってLINEはただの連絡ツール。
もちろんそうじゃない男女もいるだろうし、私はどっちかというと男寄りだから、毎日朝晩LINEしてほしいってことはない。
私の日常は楽しく忙しく、それなりにやりがいのあるビジネスを持っていて、もちろん夫もいる身だから、私は会える時に全力で愛したいし、会えてない時は軽いアイドリングの気分。忘れた訳じゃないけど、基本的に恋愛は非日常に置いている。
だから沼らないところもあるし、だから薄情なところも否めないんだけど、自分の中での快を優先したら、私の恋愛はこんなスタイルに落ち着いたって感じかな。
そもそも多頭飼いだし一般的な貞操観念も薄いから、ちょっと普通の女性とは違ってることは自覚してる。だから私の話なんか、全然参考にならないんだけどね。
彼氏と抱き合って、その後食事へ。
いつものデートとはちょっと違う流れで、だけど良い感じで一緒にご飯。
この続き
彼氏から小さな紙袋を渡された。
「お土産だよ、開けてみて」
前日まで、彼氏は仕事で出張に行ってたことはわかってる。
だけど、彼氏から誕生日とバレンタイン以外で、品物を貰ったことは無い。
ちょっと戸惑う。
私の方は、旅に出ておいしそうなものがあれば、たまに彼氏にお土産を買うことはあった。彼は本当に食べることが好きで拘りが強いから、絶対彼が好きであろう品に出会うと、私は買わずにいられないし、彼氏もとても喜んでくれるから嬉しいのだけど。
「ねぇ、開けてみて」
ニコニコしながら私の開封を待つ彼。
触れた感じと大きさから、食べ物ではなさそう。
私は彼氏には『消えもの』しかプレゼントしないと決めているし、彼氏にもそう伝えてる。不倫の恋だからというのもあるけれど、彼氏の場合は何か持って帰れば、きっと妻に怪しまれると思うから。
彼氏夫妻は冷えた夫婦関係というわけではない。それは何となくわかってる。
だからきっと、別の女が選んだであろう品物を持ち帰れば、妻はきっとすぐ勘づくだろう。女の勘は鋭いし、私は誰かを傷つけたいわけじゃない。
彼氏もそれはわかっているので、私からのお土産(食べ物)はオフィスで食べてるみたい。
残るものは選ばない。
私がそう言うから、彼氏も私がよほど欲しがらない限り、残るものを私に与えることもしないと思ってた。
私の誕生日は、貰っても困らないものを私がお願いした。
それは消えものではないけど、私が家に持ち帰っても問題ないものだから安心だったし、どこかで私は彼を感じるものをひとつ手元に置いておきたかった。そのたった一つのギフトで充分幸せだった。
だけど、不意に『お土産』を手渡されたので、私は正直、この小さな贈り物に戸惑ってる。貰っていいのかな…
恐る恐る紙袋を開ける。
中身は、私が最近ずっと好きだと言っていた、ゆるキャラのストラップ!
彼はその、ゆるキャラの土地に度々出張があり『もしもゆるキャラの着ぐるみに出会うことが出来たら、絶対に写真を撮って送って』とは、何度も頼んだことがある。
しかもそのゆるキャラ、ご当地でもかなり人気が低くて知名度が低い…だけど私はすごく好きで、よくそのゆるキャラの話題は彼氏としていた。
「えー!これ、買ってきてくれたの?めっちゃ嬉しい!ビックリした!こんなのあるんだ!マイナーなキャラだからグッズなんか無いと思ってた」
「うん、めっちゃ探したよ。でも見つけたからよかった」
「え、探してくれたの?」
「じゅりんが喜ぶかなぁって思ってたんだ。〇〇県に行くといつも時間が足りなくて、探しても見つけられなかったけど、昨日やっと見つけたから」
そのストラップはもちろん嬉しかったけど、彼がその土地に行くたびに私の好きな、しかもかなりマイナーな、恐らく探すのも大変だっただろうゆるキャラのグッズを探してくれてたことが、本当に本当に嬉しくてキュンとした。
「嬉しい嬉しい嬉しい!ほら、これ見て!すごく立体的で可愛い…ホントに嬉しい。ありがとう、探してくれて」
「そんなに喜んでもらえるとは、僕も嬉しいよ」
このゆるキャラのストラップ、もちろんそれが入手できたのはとても嬉しい。
だけどそれ以上に、私と会っていない時間に、私の事を思い出してこれを探してくれたことが、泣きたくなるほど嬉しい。
私は旅に出るとあまり多くのお土産を買わない。いわゆる『ばら撒き』のお土産は嫌いだから。
本当にお土産を渡したい人にだけ買って来る。
小さい頃、旅好きな母に
お土産って言うのはね
『旅先であなたのことを思い出しましたよ、あなたがきっと喜んでくれる品だから、お届けしたくてお土産にしましたよ』
って気持ちの表れなのよ。
だから義理でお土産を買っちゃダメだし、ばら撒くお土産なんか意味がないのよ、お下品だから。
じゅりんが誰かからお土産を頂く時は、そうゆう相手の気持ちを丁寧に受け取って、旅先の香りを楽しむのよ。
ばら撒きのお土産なんか捨ててもいいけど、大事な思いを乗せたお土産は、品物だけじゃなくその気持ちをうけとるのよ。
と何度も教わった。
母は友達も多く、父も顔が広かったのでよくお土産をいただいていたけど、それはそれは恭しく嬉しそうに受け取っていたのを覚えてる。当時は、後でそのお土産の感想とお礼を、ハガキに書いて送ってたっけ。
私は母程恭しく受け取る技は出来ないけど、大事に選んでくれたであろうお土産は、今も丁寧にお礼を言って頂くことにしている。
だけど母の言葉をすっかり忘れてて、急に母の言葉も、母が何度も私に伝えてくれたその光景も思い出した。
彼は出張先で私を思って選んでくれた。
そのことが私の胸をじんわり暖かく優しくしてくれた。
「ホント嬉しい。大事にするね。今すぐスマホケースに付けたいくらいだけど、そうしたら汚れちゃうから、しばらくこのままお部屋に飾っておく」
「そんなに大事にしなくても‥」
「だって、嬉しいんだもん」
アナタの気持ちが、嬉しいんだもん。
むしろ誕生日でもクリスマスでも記念日でもなく、こうしてふっともらえるギフトというのは、とても価値がある気がする。
他人から見たらオモチャみたいなストラップだけど、私にとっては宝物。
非日常を楽しむ不倫の恋で、それなりにお互いに割り切ってお付き合い出来てるつもりだけど、アナタの日常にはもう既に私が棲んでる。だから離れていても私の事を考えて、こうして証明してくれて、別に証明してほしかったわけじゃないけど、だけどものすごく嬉しくて。
私もかっこつけてるけど、実はアナタも、もう私の心に棲んでる。離れていてもアナタのこと考えてる証に、私は旅の途中でアナタの好きそうなものを選んでお土産にする。
すごく偶然みつけたフリして、何気にさり気なく渡してるフリして、本当はめっちゃアナタの事考えて選んでる。
そうゆう1年と3か月、見返りが欲しくてそうしてきたわけじゃないけど、アナタに与えたものが100倍になってお返しされたような気分。
私達、お互いの心にちゃんと存在してるんだね。毎日連絡し合わないし離れているけど、それは倦怠期ではなくて、安定期がずっと続いてるって思った方が良いのかも。
彼氏が私に飽きても、私が彼氏に飽きる日が来ても、それでも私達はお互いの心に棲みついて、そうして互いにパラサイトしよう。
なんだかそんな気がした。そしてそれはとても幸せだなって思う。
その日の夜遅くに彼氏は帰って行って、私は駅の改札口まで見送ってからホテルに戻って、彼氏が着ていたパジャマを着て眠った。
あー幸せ♡
そして翌日、私は一人旅に出たのでした(ほんと私、自由きままな人妻だよね)
・・・
旅好きな私は、2泊程度ならバックパックで出かけるんだけど、お洋服は絶対に圧縮バッグが便利だよ!ワンピも下着もセーターも持参しても、圧縮バッグで小さくなるから荷物が小さくて済むの。最近はちょっとした小物や洗面道具も一緒に詰めちゃう(大雑把な性格💦)
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