10年来のプラトニックなボーイフレンドと、その息子(社会人20代)と、素敵なレストランで訳あってお食事。
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予約していた食事の時間になったので、ウェイティングバーから夜景の見える窓際席に案内される。
東京って綺麗だね。こうしてみると宝箱の中に閉じ込められてるみたい。
先生には、事前に何が食べたいかを尋ねられたので『良質なタンパク質』と答えた(笑)
パーソナルジムに行き始めて、ほぼ野菜とタンパク質を食べる生活。たまに好き勝手食べてみることもあるんだけど、脂っこいものは胃が受け付けなくなってきた。
先生の息子は、異次元の10頭身以外にも非常に爽やかで聡明な印象だった。
私と同じ職種を目指すために進学するという決意は固く、かなり本気の質問を浴びて答える。
それと同時に、お皿の上にお花が咲いたような綺麗な料理が、一皿ごとに出される。
お料理に合うワインを頂く。至福。
私の仕事の事を、今まで先生にはあまり話したことが無いので、先生にも色々質問される。
どうしてその仕事に就いたの?とか。
この先の展望はどんな風に考えてるの?とか。
「私は、好きでやりたいことに就くのは違うと思ってるんです。向いてる仕事をするのが一番お金が稼げる。稼いだお金でやりたいことをやればいい。仕事は遊びでも趣味でもない。好きとか嫌いとか関係ないと思う」
「じゅりんちゃん辛口だね、これから夢を追って進学する息子の前で(笑)」
「これから夢を追うからこそです。勉強することは良い事だと思うけど、もしも万が一向いてないと思ったら、それは職業として選んではいけないということ。逆に私は、単に趣味で勉強したかったのに、たまたま向いていただけかな」
「そうゆう明確なところ、好きだな」
スキダナ…
告白ではないことはわかってるんだけど、ちょっとキュンとした。
東京の夜の宝箱の中にいる私達。
お酒の力も借りて、時々本音が漏れる。
「俺もあと30年若かったら、じゅりんちゃん放っておかないのに」
「今の先生だから素敵なのに?」
「そうゆうこと言うから、また会いたくなるんだよね」
「二人で会うと、奥様に申し訳ない気がするけど」
「それは俺も同じだから」
絡み合う視線、続く言葉をワインで流し込む。
男女の友情なんて成立しない。お互いにわざと恋心を隠して、ずらして、熱を見せないようにそっとごまかすだけ。
きっかけがあれば、きっとどちらかが熱を見せれば、私達は始まってしまう。
そうして何年もすれ違い続けて、私は夫の貞淑な妻を続けてるふりをして、先生は別の女性を選んで。
今の私は、出会った頃の私とは違う。
だけど私から熱をみせたくはない。
それに…この二人の儚い関係を、もっとずっと大事にしたい。
できればこのまま隠して、この曖昧な関係のまま。
誰にでもこの関係を作り出せるとは思えないし、例え今から関係性を築いたとしても、おばあちゃんになってしまいそうだし。
そんなことを考えながら、何となく続く沈黙に突然息子が呟く。
「パパってメンクイじゃないと思ってたけど、やっぱメンクイだったんだね」
「どうゆうこと?」
「??」
「ママも、今の奥さんも割と普通だからさ、面食いじゃないと思ってたよ。でもじゅりんさんは綺麗だし」
次世代スタイル、10頭身の息子に綺麗って言われちゃった。お世辞でも嬉しい、密かにご満悦♡
イイ感じで雰囲気壊してくれてありがとう、息子クン。
無邪気を装って、さり気無く私を褒めてくれて、この生温い大人の遊びの沈黙を破ってくれた。
彼の頭の良さが垣間見れたような。
そうなの、実は私も気になってた。
奥様の写真は何度も見せてもらったけど、正直あまり綺麗な人ではない。
ただ先生は、少し儚げで男に頼りたい雰囲気の女性が好きなんだろうと想像してた。
確か今の奥様は派遣社員だった。
バリバリ働く私は、見ていて面白いのかもしれないけど、恋愛対象からは少し外れてるんだろうなぁとも思ってた。
なんか息子の一言で和んで、その後は先生の女性の好みなど揶揄いながら、三人で楽しく飲んだ。
先生の息子がこの場に居て良かったと思うし、いなかったら雰囲気に流されちゃったかもしれないな、とも思う。いや、流されないようにお互いに仕向けるかな。
そんな絶妙な距離感。
楽しい時間はあっという間で、ワインを2本も空けてしまった。少々飲みすぎ。
デザートまでしっかり頂いて、席を立つ。
「じゅりんちゃん、これ少しだけど、お口直しに」
手渡されたお土産。
贅沢なチョコだった。
こうゆう女心を逃がさない演出も欠かさないんだよねぇ。人生経験少ない女子なら、すっかり恋に落ちてるハズ。
私の乗る地下鉄の改札前まで、先生と息子、二人のメンズが送ってくれることに。
ってか男性の読者には知っていてほしいけど、女性との食事の後は、例え女性の乗る電車の改札口が遠くても、そこまでは見送ってほしい!帰りがタクシーなら、乗って去るまでは見届けてほしい。
見送られると、女性からの好感度はグッと上がる。それが遠回りなら尚更なんだけど。
彼氏もこれ、出来ないんだよね。いつ教えようかしらと思ってるんだけど。私と付き合ってるうちは構わないけど、彼が将来、今よりもっといい男になるためには、いつか教えなくちゃといつも思うの。彼氏は根が真面目だから、教えちゃうと今まで出来てなかったことを猛烈に反省しそうで言えないんだけど。
三人で地下道をほろ酔いで歩く。
並んで歩くとやっぱり親子、似てるよね。だけど昭和と平成って感じで、体格が全然違うんだよなぁ。何度見ても息子は10頭身。すごいバランス。
息子クンのほうが背が高いと思ってたけど、並ぶとそうでもない。やっぱりバランスが良い分スラリと見えるんだろうな。
だけどこの時はっきりわかったけど、私って昭和の男前がタイプ。
同じ身長でも小顔で手足の長い男より、少し顔が大きめでも体格が良くて男らしいほうが好き。抱かれるなら絶対昭和タイプだな。
そんな私の下心を隠しつつ、会話の流れでちょっとふざけて軽く肩を叩かれたりして。
これ普通の女子がされたら惚れるパターンなんだけど、先生と会うといつもこの流れ。
改札の前でお礼を言って、先生にハグ、2秒。
すぐに息子にハグ、同じく2秒。
これで本当に『アメリカンなあいさつみたいにハグをする習慣を持つ女』ってことで、2年前のハグ10秒は完全に有耶無耶になった。確信犯。
それでいい。
「またご飯行きましょ。今日ご馳走になっちゃったから、倍返しで」
「そうだね、倍返しじゃなくていいけど(笑)良質なたんぱく質のお店を探しておくよ。また誘っていい?」
「もちろん。息子クンもまたぜひご一緒に」
「はい、喜んで。勉強のこととか進路とか、また相談するかもしれません、よろしくお願いします」
「じゃあ、またね」
「うん、またね」
「気を付けて」
男女の友情を続けるには、適度な嘘と演出が必要ってことで。
でも次は、子連れじゃない方がいいかな。どうかな。
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