わたし旅➂Last - 人妻の気紛れで自堕落な生活

一人旅の備忘録。

わたし旅①

わたし旅②

jurinrin.hatenadiary.com

旅の備忘録にしては引っ張るね(笑)まぁ一人って好きなだけ時間があるから、色々考えたりしてた。

食事の後、部屋に戻って、シマリス君にLINEしてみた。

シマリス君は武道の日かな～？（＊彼は毎週武道の練習に行ってる）
私は避暑地の〇〇〇に来ています！
生憎の雨だけど、時々晴れて気持ちいいよ。

楽し気な私の写真を一緒に数枚添付。

何故か一人旅で自撮りしてると、声をかけられて写真を撮ってもらうことが多いので、案外に自分が映ってる写真が多い。

誰と一緒とか、今日どこに泊るとか、わざと何も書かなかった。

少しはヤキモチ妬かせようと思って。

それじゃなくてもお互い放置しすぎだし、次のデートの約束もしてないし、なのに会うとめっちゃ愛を囁かれて混乱するしで、私はまだシマリス君のことを上手く割り切れていない。

でも返事が

そうなん？

俺も今月末に〇〇〇に行くよ。今日は武道の練習やで！

って・・

え、何故あなたが、誰とここに来るの？（多分仕事だろうけど）

ってか、私が誰と一緒なのか、全然気にならないの？？（←ここ大事だよね！）

そして私とのデートの提案は、日にちも含めて何もないけど、ここに来るのは決まってる訳よね…

そりゃそうだよね。私は日常の副産物。空いた時間に時々会う恋人役。

お互いにそれで納得してるハズなのに、何故か猛烈に悲しくなった。

私は暇じゃない、いくらスケジュールが自由に組み立てられるとは言え、早めに決めてもらわないと日程を空けられないっていつも言ってるのに。言った時だけはすぐ次の予定を決めてくれるけど、言わないと放置。もうなんかヤダ。

何がイヤって、自分の優先順位の低さがイヤなのだ。

わかってる、これは単にワガママ。自分だって同じ扱いしてるくせに、むしろ彼氏を最優先してシマリス君の予定は彼氏の予定を決めた後にしてるのに、自分だけは特別扱いしてほしいなんて虫が良すぎるんだけど。

別にシマリス君のことが好きで傷ついてる訳じゃないのもわかってる。相手が夢中じゃないことがイヤなだけ。私を知りたがらない事がムカつくだけ。

私を必死で追いかけて来ないのが腹が立つだけ。イヤなプライド。イヤな女。

本当に好きなら、縋ってでも次に会う約束を求めるんだろう。私はきっと、誰の事もそれほど好きじゃない。

なんだか返り討ちにあったような気分で凹んだ。

せっかくの一人旅だから、そのままスマホを金庫に入れて鍵をかけて、もう今日は誰にも連絡しないって決めた。バカみたい、またシマリス君に心を掻き乱される。

再び温泉浸かりに行ってビール飲んで、買った石を眺めたり、本を読んだりしてゆっくり過ごす。もうあまり考えない。明日は何して過ごそうかな。

気付いたらウトウトとしていた。

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翌朝ゆっくり起きて、金庫からスマホを取り出す。

友達からのLINEと、他の男からのLINEと一緒に、シマリス君からもLINEが入ってた。

今度〇〇温泉行かない？

また温泉。

ほんと謎の温泉デート好き（決して温泉が好きなわけではなさそう）

だけど、僅かに心が救われた気がした。

なんだろう？勝手な妄想の中では、シマリス君は私が避暑地にいるのを少し焦って、次のデートの提案をしてきたのかな、とか思ったりして。主に自己都合で良い方向に解釈する私ってホント幸せに出来てると思うけど。

でも、素直に嬉しい。

次の約束の提案。

ゆっくり温泉に浸かり、軽くストレッチをして、ホテルの周りの森を少し歩いてから朝食に向かった。

贅沢な朝、贅沢な朝食。

「昨日はよく眠れましたか？」

あのソムリエに声をかけられた。

『あなたの連絡先を教えてもらえなかったので、一人淋しく眠りましたよ』と言いたいところだけど微笑で会釈する。男を釣りに旅に出てる訳じゃないわ、とまた変なプライド。

いつも思うけど、私って誰と戦ってるんだろうね(苦笑)

ゆっくり1時間かけて朝食をいただき、部屋に戻ってシマリス君に返事する。

一応連休で休めそうなところは、今月は２か所しかないから、日程が合わなければ温泉はまた次回にしてもらおうと、ダメ元で日にちの提案をする。

朝は雨なのでアウトレットに行ってお買い物でもしよう。その前に市場で地元野菜をたくさん買おう。早く行かないと売り切れちゃうし。

それから、もうひとつ行きたい美術館がある。小さな美術館だけどずっと行きたかった場所。カフェも併設されてるから、気分ならお茶でもしよう。

時間があればもう一件みたい美術館がある…でもどうしようかな、そこは広い公園の中だから、出来ればゆっくり見たいけど…

頭の中で今日のプランを考える。夜遅くなる前には家に着きたいけど、出来るだけ帰宅を引き延ばしたい気持ち。帰る家があるから旅は楽しい、わかってはいるけど。

ホテルのチェックアウトの時は、ソムリエがわざわざ出てきてくれて、私の荷物を持って車まで傘をさしてくれた。

「え、お車は、あそこに停まってる〇〇〇ですか？可愛いですね。これって四駆なんですか？四駆は初めてお見受けしました」

「〇〇〇をご存知とは車に詳しいんですね。そうなんです、拘って選んでるとこれになちゃって…あまり台数走ってないので目立って恥ずかしいんですけど」

「拘りの愛車で一人旅、素敵ですね。またいらしてください」

ええ、あなたに会いに・・もちろん言わないけど。

密かな私の拘りを、ちゃんと見てくれてる人がいることは嬉しい。

んー気が利くソムリエさん、このまま連泊したら惚れるとこだったかも(笑)

私は多くのモノを欲しいんじゃなく、自分が拘りぬいたモノに囲まれていたい。

男だって数じゃない。ただ帯に短し襷に長しで、私の拘りがそれぞれの男に散りばめられてるだけ。

市場で野菜を買い込んで、アウトレットでお買い物して、一息ついてお茶してたら彼氏からLINE。

今頃楽しんでるかな。リンゴチップス食べたいな

何気にお土産リクエストまで(笑)もちろん、ちゃんとリンゴチップス買っておいた。

昨日ベッドにダイブした時にセルフタイマーで連写撮影したので、その写真を付けて返信。これが大ウケで嬉しい。やっぱり彼氏は彼氏ポジションにいるだけあるよね。

何か気の利いたセリフがある訳じゃないけど、こうゆうささやかな事が私を安心させてくれる。笑ってほしいとこわかってるし、気付いてほしいとこ気付いてくれる人。

ちゃんと私を気にしてる、私を好きでいてくれてる。それを感じられる人。

人の思いなんかその人じゃなきゃわからないけど、それを全て伝えなくてもわかるように示してくれるって大事だなって思うし、言葉や行動と、心が一致してるって感じるのはとても安心する。

``感じる‘‘ってのは私の主観だから難しいとこだけど、不一致感だとハラハラするのは、恐らく不一致感満載の、嘘偽りの元家族の中で暮してきたから。

私は人より過敏なんだろうと最近思う。だから言葉を信じてない。その時々の演出程度にしか思えない。

その分その人の本心を察する能力だけは、人一倍に強くなってる気がする。それが勘とか感と言えばそれまでなんだけど。

自分のインスピレーションは信じてる。

色々と考えて吐くほど過去を振り返って、男を捨てて旅に出たけど、一周回って気持ちが落ち着いた。

結局自分のインスピレーションだけ、それだけで決めよう。

彼氏は彼氏、私の不動の一位。

二軸の対局にいるシマリス君は魅力的な男だから、どちらか飽きるまでは続くんだろう。

何故か年下二号クンからもLINEが届いてた。多分約束反故にした日を過ぎたから、気にしてるのかな。二号クンをどうするかは今は考えてない。会いたくなったら会うかなぁ。

シマリス君は、いつもならやや強引に、私が提案した日の前後でも無理に言って来るけど、今回は既読になって返事が来ない。まぁ別に温泉じゃなくてもいいけどね、と思いつつ日にちをやり繰りしたらもう一か所連休作れることに気付いて、追伸でLINEしたらすぐに返事が来た。

その日大丈夫、予約しとく！

そしてすぐに温泉旅館のURLが届いた。

予約した！

意外な速さ。

これも言葉じゃなくて行動と読み取って良い案件かな。

少しは私が避暑地にいること響いたのかしら。誰といたのか聞かれないけど。

響いたなら、焦ってくれたなら、それならそれで良かったんだけど。

理由はともかく、最近の私はどうやら彼氏とシマリス君の二軸で心が安定している。

暫くはこのままで。この二軸の中心に、自分を保つ感覚がやっと戻って来た。

そうしたら、何故かあまり他の男に関心がなくなってきた。

今だけかもしれないけど。

アウトレットの本屋さんで気になる本を10冊買ってきたから、しばらくは本に夢中かも。今は何故か学習意欲のほうが、男を漁る意欲より上回ってる謎の現象。

そんな私はつまんないけど、まぁまぁ楽しい。

夏の恋が過ぎて、学問の秋かな。

午後から晴れて、気持ち良いお天気をドライブして帰宅。

夫は既に帰宅して、いつも通りに出迎えてくれた。

帰る家があるから旅は楽しい。そうして私は、必ず夫の元に帰ってくる。

それだけが真実。

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『まんがでわかる！』シリーズが結構好き。普段まんが読まないけど、これだけはつい見かけると買ってしまう。
本のアウトレット店で買ったけど、ニーチェ面白かった！わかってるようでわかってないニーチェ。宗教も関係してくるとなかなか奥深いね。宗教学は好きだけど、解釈が全然違ってた。でも私的哲学にはだいたい当てはまってた。オススメ。