まだ頭が取っ散らかってる。
何をどうまとめて良いのかわからないけど、デートの記録はそのままに書き留めておこう。だからあんまりおもしろくないブログ(苦笑)まぁ誰かの期待に応えて書いてる訳じゃないんだけど、シマリス君人気者だから、なんかちょっとごめんねって気分。。
シマリス君と3度目の温泉デートに行ってきた。
相変わらず往復になるであろう私の家の近くに、非効率なのにシマリス君はお迎えに来てくれた。こうゆうのを男気だと思ってるんだろうから、出来るだけ無邪気に喜ぶことにしているんだけど。
車に乗ってドアを閉めた瞬間、いつも通りに自分の話を語り出す。
この話が、今回の二日間では何より衝撃的だった。
「あのな俺、今年中に会社辞めて独立しようと思ってるんよ」
いきなり進路の報告。
元気?とか久しぶり!とかじゃなく。今日の服可愛いねとか、もう発信して大丈夫?とか、そうゆう気遣いでもなく。
その時、私が咄嗟に思ったこと。
え、私達来年も続いてるのかな?
毎回会うたびに、会うのはこれで最後になるんじゃないかと思ってる私には、来年なんて遠い未来に感じたから。
だけど気持ちとは裏腹に、スラスラと口からは言葉が溢れる。
「えーそうなんだ、私もそれが良いと思うよ。シマリス君が会社員でいることが不思議だったもん。私、かなり最初の頃に『独立しないの?』って聞いたことあるよね。そうゆうタイプだと思ってたよ、応援するよ」
言いながら自分でも驚く。
いつかこの告白を聞くであろう予感があった。
でもちょっと待って、早すぎる。
私はまだ、あなたの人生に深く立ち入る覚悟はできてないよ…
私は惚れた男の人生の分岐点に立つことが本当に多い。
だけどそれは、それなりに付き合いが深くなり、私にもそれなりに相手の理解があって、そうして腹を割って話せるようになってからの事。
この告白、このまま聞いてて良いのかな。
まぁ、私の気持ちなんかお構いなしに、シマリス君は話し続けるんだけど。
2時間ちょっとのドライブの最中、色々とシマリス君の独立の理由や将来の希望を、うんうんと聞いていた。
「でも、奥さん反対しないの?」
「まだ言っとらんし、言っても『あーそう』で終わりやで。うち財布は完全に別だし、関係ないし」
業界的にフリーランスは珍しくない。会社の冠より自分の名前で仕事をしてるタイプなのは見てすぐ分かってたから、不安材料はないけど。
「まぁ、何も変わらんけどな、業種も同じやし、やってることも変わらんし」
そう言いながら、本当は弱音を誰かに話したかったのかもしれないとも思う。
一見普通の会話に聞こえるけど、これはシマリス君にとっては弱音なのだ。
会社にずっといられない自分、組織になじめない自分、本当は守られたい自分…
そして、私もそうだったけど、この先組織に属さないという決意は、他人が思うよりずっと怖い。もう戻れないかもしれない怖さ。
そんなこと考えながら、少し気分も良い気がするのは、妻より先に報告を受けるのは、少しのルール違反をしている優越感。
私ってすごく意地悪。酷い女。
良い天気の中、途中高速パーキングで寄り道しながら、温泉宿に到着。
二間続きのレトロモダンな、古いけど味のある部屋に通された。
相変わらず道中は、シマリス君の仕事の電話がひっきりなしで、電話の合間はこれからの起業のことを相談される。
とは言っても私は、微笑しながら、うんうん、シマリス君はすごいね、勇気があるね、きっと大丈夫だよ…と繰り返し言ってるだけ。
チェックインしてから、温泉街に散歩にでかけた。
お魚が好きなシマリス君は、明日買って帰る魚を物色したり、すぐ食べられる珍味や加工物を買ってご満悦。温泉宿に来るのも3度目になるとパターンが分かってるから、だいたいの時間を計りながらゆっくり買い物を続ける。
見える範囲でお互いに自由に過ごせるのも程良い距離感。
勝手に足湯に入ってシマリス君を待つ私。
彼が欲してるのは非日常なのに、勝手に日常を持ち込むルール違反に、私はまだ少し戸惑っていた。
部屋に戻ってお風呂に入って、部屋食の夕飯が振る舞われる。
テレビを見ながら雑談しながら夕食。
思うけど、こうゆう何気ない過ごし方を、彼は求めているのだろう。
温泉のお湯が好きなわけでもなく、ろくに観光もしないのに、温泉に来たがる謎が少しわかった気がする。
一晩同じ部屋で過ごすと、生活スタイルもわかってくる。すごく淋しがり屋なのも、一緒にいると感じる。
お茶飲みながら、一緒にテレビを見ながらアレコレ。クイズ番組の回答を考えたり。
加藤綾子アナ(カトパン)がニュースに出ていた時に、田中みな実とカトパンとでは、どっちが人気かという話題になった。
「私は田中みな実だなぁ~ぶりっ子好きだし」
「世間でも田中みな実のほうが人気あるみたいやで。最近女優もするからな。でもめっちゃ甘えたがりっぽいやん?なんか苦手」
「えーでもさ、シマリス君は``甘えたの子が好き‘‘って言ってたじゃん」
「そやけど俺は断然、カトパン派!自立してる感じやん」
「私、たまにカトパンに似てるって言われるの。顔の造りとか全然違うと思うんだけど」
「わかる!わかる気がする!そやな、ちょっと似てるわ!確かに!うぉっほっほ」
なぜ豪快に笑われてるのかよくわかんないけど『じゃあ結局キミは``甘えた女子好き‘‘ではないと言うことだね??』と念を押したくなった。みな実は甘えたで、カトパンは自立派って意味で。
私はシマリス君に上手く甘えられない。どっちかというと甘やかしてる自覚はあるから、これでいいのか悩んでたけど。
その後私は再びお風呂に入り、シマリス君は仕事の電話をしたり、メールしたりしていた。お風呂から戻っても慌ただしく仕事をしてるので、私は本を読んだりして勝手に寛いでる。
突然私の膝にシマリス君が頭を乗せてごろりと横になり、スマホでメールを書き始めた。
「なぁ、なんでじゅりんはそんなに俺に優しいの?」
「んー?なんでかな。シマリス君が好きだからだよ」
「俺も好きやで」
この``好きやで‘‘は、今まで言われた『好き』と『愛してる』より、ずっとグッと来た。
なんだかいきみが無いと言うか、ナチュラルに発せられてたというか。
そしてすごく優しく響いた気がした。
夫もそうだったけど、妻帯者なのにやたら好きと愛してるを連呼するのは、きっとどこか自信がないんだろう。
そんなに頑張らなくても私はそれほど変わらない。関係が始まってしまった人は、それなりに飽きるまで大事にする。
逆につかみどころのないこの人は、いつ私に飽きるのだろうかと、そればかり気にしてた。会うたびに今まで大袈裟だと感じてたことが少しずつナチュラルになっていく過程は、玉ねぎの皮を外側から一枚ずつ剥いでいくみたいに、少しずつ核に触れていくようで柔らかさが増していく。
彼は鎧を着て、メッキをペタペタ張って、なんとか日々を頑張ってるんだ。そのメッキを一枚ずつ剥がして、鎧を外す準備をしてる。そうゆう時間が必要な男。
シマリス君が欲してるのは、ただ自分を受け入れ話を聴いて、励ましてくれる存在なのかもしれないなぁ…とボンヤリ思った。
私はセックスを伴う父親の幻を求めてるけれど、彼はセックスを伴う母親の幻を求めてる。甘えて、認めてもらって、励まされて、涙を拭いて戦いに挑むシマリス少年。
そうゆう時期を子供の頃に充分過ごせなかった彼の、屈折した愛を求める姿。
やっぱり私達、似た者同士なんだね。
シマリス君の仕事が片付いて、部屋の電気を消す。
シマリス君はいつも真っ暗にするので、これが抱き合う合図。
私は付き合い初めは割とおとなしく、だんだんと自分のペースを発揮するのだけど、セックスもだんだんと自分の技を披露していくことにしている。
最初から飛ばすと、引かれることもあるし(苦笑)
今回ちょっと私が最初に攻めたら
「癒される…こんなん初めてやで」
と言われた。
まぁ初めてな訳ないと思うけど、癒されるってのはちょっと嬉しい。
割と男性には、最中に『癒される』と言われるんだけど、最近は多くの男性が言うのかしらね。男を癒せるオンナで在ることはとても嬉しい。ずっとそうで在りたい。
宿が古いから、どこかの部屋の足音が響いてる。
だから背面測位で左手を腰に回し、右手で後ろから私の口を塞ぐ。
私の声が漏れないように。
激しく突かれるタイミングであんまりぎゅっと塞がれるから、軽く酸欠になって声も出なくなる。
おかしなことに、私はこの瞬間、殺されたいと思う。
一瞬、この手でこのまま殺してほしいと願う。
とても甘美な誘惑、もちろん殺されることは無い。
だけど何故だろう、このまま殺されてしまえば、何もかもこのままで止まるのにと思う自分を否めない。
止まってほしいの?私は。わからない。
相変わらずセックスは私史上最高なのだけど、どうしてかシマリス君と一緒だと上手く眠れない。
微睡むことは出来るから、途切れ途切れに眠ってるのだけど、肌を寄せて眠ってるのに安心できない。
いつも腕枕をしたがるのだけど、私は腕枕が苦手。
いつも通りにそっと外そうとしたら、頭を抱えて抱きしめられた。
寝息が聞こえるから、眠ってるんだと思うけど、苦しい…
また殺されたい気持ち。
これなんだろうかとずっと考えてる。
他の男に、一度も殺されたいなんて考えたことは無いんだけど。
(続く)
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