人妻の気紛れで自堕落な生活

人妻の夜遊びとか不倫とか時々仕事とか

ホステス時代(あんた刺されるで)

これは、昔わたくしがお水の世界にいたころのお話で、今とは世界もずいぶん違うのかもしれません。バブル前→バブル崩壊→不景気時代をずっとお水してました。そんな遠い記憶の物語…(だからクレームとか受け付けません、私の経験と主観です)

 

繁華街の中の二番目の通りのビルの一階、ずーっと奥の方に「あれ、こんなお店あったの?」って思うような居酒屋さんがある。小さくて古くて汚くて、でも美味しくて。

出勤前のホステスのご飯から、アフター上がりの軽く一杯まで、長い時間開いてる居酒屋さん。

 

そこは一流クラブに務めてた時に、近くにあった居酒屋さん。

私は昼間の仕事の休みの前日は、クラブが0時に終わった後に別のクラブで2時まで、そこが終わったら朝の5時までやってるラウンジでバイトして始発で帰った。その朝までのラウンジのバイトで知り合った客が、その居酒屋さんに最初に連れてってくれた。

 

「朝まで働いてたら、お腹空いたでしょう。ご飯沢山食べれるお店に連れてってあげる」

 

そう言われて、別のバイトの子と二人でついていった。

バイトの子は派遣でクラブを転々としていて、終わったらラウンジで働いて、稼いだお金はホストに貢いでる。私達がこんなに長時間労働するのは『私はパトロン持たずに水商売やってる』って変なプライドなんだけど、結局、股を開くか開かないかだけで同じことなんだと後で知る。

 

その居酒屋さんは何でも美味しくて安くて、すぐに好きになって、出勤前に寄ったり、たまに同伴やアフターでお客さんを連れてったりもした。

深夜は特に忙しく、他のクラブの黒服もたくさん出入りしていて、彼等とも親しくなった。

 

その居酒屋の大将にはよく叱られてたし、口説かれてもいた。

大将目当てのホステスも通ってたほどだから、当時はそれなりに若くてイイ男だったと思うんだけど、当時の私は若い男には全く食指が動かず(苦笑)

大将は私の事を

 

「ホンマ、じゅりんは男が好きそうな顔と身体と隙があるなぁ、気ぃつけやー」

 

と、いつも言ってた。

つまりわたしはあまり美人ではなく、スタイルも良くなく(ホステスの割には少し肉付きが良い)少々だらしない、ということなのだろう。もちろん褒め言葉だと思ってる。

大将が私を気に入ってるのは分かってたので、そこを上手に利用もしてた。忙しくてすごく混んでても優先的に席を作ってくれたり、好物をサービスしてもらったり、色んなアリバイ作ってもらったりと、何かと助けてもらってた。

 

少し親しくなった自分の店の客に「今日は私の奢り」と言って、同伴前に食事に行くとき、わざとこの店を選んで紹介していた。毎日のようにフグや寿司や、すき焼きを食べてる客も私も、実はこんな素朴な居酒屋はとても嬉しく懐かしく、居心地が良く感じるのだ。そして私のお財布にも優しい(笑)

客は「お金に苦労してるじゅりんが、自分の行きつけの気取らないお店に連れてってくれた」と喜ぶ。一石二鳥も三鳥もある有難いお店。

あ、ホステスっていつもお客さんに美味しいモノご馳走になってるイメージだけど、それは間違ってはいないけれど、たまには自分からご馳走したり、客に手土産持たせたりもする。そうゆう気配りがあるからこそ、客もまた美味しいものをご馳走してくれるので、必要経費ではあるんだけど。同伴もしてもらうし。

 

たまたまある日の水曜日に、当時の彼氏(客ではないサラリーマン)とご飯デートでその居酒屋に行った。大将はすぐに彼氏だと見抜いてた。まぁ源氏名じゃなく本名で呼ばれてるから、すぐばれるよね(笑)

このころは大将もかなり馴れ馴れしかったので、少しお灸をすえたかった。彼氏とお店に行って、大将との距離感を保ちたいとも思ってた。

 

翌日木曜日は客と同伴で他のお店に行く予定がたまたま臨時休業で、客が「じゃあ、あの店行きたい」と同じ居酒屋を指定したので仕方なく行った。

少し大将が怒ってるようにみえる、昨日とモードが違うからかなぁ。

さりげなく「じゅりんちゃんひさしぶりやね」などと言ってくれるも嫌味にしか聞こえないんだけど。

f:id:minajurin:20200516220927j:plain

翌日金曜日、会社に別の客から電話(当時は携帯電話がとても高価で持てなかったので、会社に電話を掛け合うか、客の自動車電話に電話した)で突然の同伴。どこで待ち合わせましょうかと尋ねると「あの居酒屋で先に呑んでるよ」と告げられる。つまりは三連チャン。

んーさすがに大将と顔を合わせるのが気まずい。また別の男。

 

しかも当時の私の営業方法は、完全なるプラトニック色恋営業。木曜日と金曜日の客は、完全に私と付き合ってると思ってるし、セックスできない(嘘の)わたしの身体を労わってもくれている。大将が目の前にいるカウンター席で喋ってるから、会話は筒抜け。

ってか、客たちは私のテリトリーである居酒屋で、大将にわざとマウントしてるのだ。

 

しかし大将は水曜日に、冴えないサラリーマンのホントの私の彼氏を見ている。いや、私も『ちゃんと一般人の彼氏もいて、セックスも人並みにしてますよ』ってところを大将に見せつけたかったのかもしれない。いつも冗談交じりに小馬鹿にされて、隙あらば口説かれて、なんだかそんな大将に私もマウントしたかった。

まさか三連チャンで男を入れ替えて通うことになるとはその時思ってなかったけれど...

 

金曜日の大将は無言。これ怒ってるやつだなぁって思いながらも、どうしようもない。

こっちはお店に3日も通ってるんだから有難く思ってほしいわってちょっと開き直った位にして、居酒屋を後にした。

 

翌週、何事もなかったようにバイトの後に寄り道したら、大将にすごい真顔で

 

「じゅりんちゃん、あんた刺されるで」

 

と言われた。

 

この街にはこの街の、水商売のルールがある。

股を開かずして男に貢がせる酷い女は見たことない、嘘は良くない、いつかバレる。

だいたい客の目があるこんなところに、彼氏を連れてくるのはどうかしている。彼氏も晒しものになる。

他の店の黒服も見たって言ってた、噂になったら他でも商売できなくなる(お店を移ることができなくなる)

 

とまぁ、そんな感じで、すごい剣幕で怒られた。

確かに男の純情を担いで色恋営業するのは良くはないと思うけど、ここはそうゆう街じゃない。騙し騙され、ひと時の夢を買う街なんだから、そこまで言わなくてもいいのに…

 

まだ私はこの時、経験値が足りなくて知らなかったんだけど、確かに私の客は独身も多かった。それはまずかったと後で知るんだけど、大将に叱られてあまり冷静に考えられなかった。

 

でも結局、この後私が色恋営業で引っ張りすぎた独身客にストーカーされたり、会社にいたずら電話をかけられたりして困ったとき、大将が全部助けてくれた。

なんだかんだ言っても大将が良い人でホントによかったんだけど。

結局10回くらい『刺されるで』と言われて、私は水商売をあがる決意をする。

 

そして、なんと夫との関係を推してくれたのも、大将だった(笑)

なんかご縁ってすごく不思議だね。

結局、大将が命の恩人なのだと、結婚してこの土地を離れてからすごく思った。

 

何年か前に、大将に会いたくてお店を尋ねたことがある。

もうあの居酒屋さんが入ってたビルが建て替えられてて、居酒屋も無くて、移転先もわからなかった。

生きてる間にもう一度会えたらいいなぁって、思い出すたびに思う。

(万が一ブログ読んでたりしたらTwitterでDMください、大将)

・・・・・

じゅりんのTwitter

女性からの恋愛のお悩み相談DMには、めっちゃマジに回答します!

twitter.com

密かにランキングにも参加中。ポチっとよろしくお願いします💛


人気ブログランキング