これは、昔わたくしがお水の世界にいたころのお話で、今とは世界もずいぶん違うのかもしれません。バブル前→バブル崩壊→不景気時代をずっとお水してました。そんな遠い記憶の物語…(だからクレームとか受け付けません、私の経験と主観です)
コロナでデートネタもあまりないので、私の水商売ネタを時々ご披露しようと思う。
私の水商売デビューは16歳。父の愛人の店に連れられて、一言「ここでバイトしろよ」と置き去りにされたのが始まり。
当時はバブルだったと思う。高校生だからよく分かんなかったけど。
金曜と土曜の夜はそこでバイトして、お水の基本はみっちり仕込まれた。
お店が終わったらタクシー代を貰って、近くの祖母の家で寝泊まりしてた。
当時の父の愛人は、現在の父の妻。性格の良い女性なので父の再婚相手が彼女で良かったと思ってるけど、彼女は今は、死ぬほど父が嫌いらしい(笑)
高校を卒業したら就職して実家を離れたので、すぐにもっと実入りの良いクラブに鞍替え。
最初は三流クラブから、二流、一流とお店を変えた。
バブルはすぐに弾けて不景気になって、客がツケを踏み倒して夜逃げしたり、自己破産したり、自殺したり、親が代わりに息子のツケを支払いに来たりと、色んな人を見てきた。私自身は結局、席料だけで当時5万の価格設定のお店に移籍した。
ホステスは自分の客のツケを『売掛』として自分で受け持ち、その代わり回収できない時は借金として背負うんだけど、私は元々ヘルプからスタートして、昼間も仕事があるバイトホステスのままだったので、売掛自体を持たなかったのが幸いした。一流店に移ってからは、めでたく売掛を持つ口座持ちになったんだけど、借金は背負いたくないので、カードか現金か、会社に請求書が送れる客だけを自分の口座にしていた。
とは言っても、クラブのしきたりが厳しいので、殆ど口座にしてはもらえないんだけど。なのでホステスたちは客を引っ張ってお店を移るんだよね。
ところで高級クラブは入店するのも大変で、モデル級の容姿か外国語堪能じゃないと働けない。
しかも身長が165㎝以上って縛りで、実際靴を脱いで身長を測定されるの。
私はギリギリ164.5㎝くらいで足りないし、モデル級の美貌もないし、外国語と言えば英検2級。
お店のマネージャーが「どれも半端だなぁ」って言ったのがすごく悔しくて、頼み込んで一週間体験入店させてもらった。
ホステスは自分のお客を持って店を移るのが原則だけど、さすがにそれまでの二流店から流れて来てくれる客もいないし、もし合格出来てもヘルプって約束で。
当時体験入店で時給3000円、本採用ヘルプで3500円だったかな。
でも一日4時間しかお店は開いてない。私は昼間も働いてたから、まぁ割の良いバイト的な気持ちだったけど。
1週間の体験入店ではママに嫌われ(苦笑)客には雑に扱われ、チーママにはもっと良い服着れとか、美容室を変えないとそのセットじゃダメとか、散々言われた。
だけどお店の上客達が私を面白がってくれて、お姐さんホステスにも可愛がられた。
お酒も強かったので飲んでボトルを空ける要員として、お姐さん達から席に呼ばれるようになった。
適当な英会話も、母国語が英語以外の客やホステスに面白がられた。流暢に喋れないから、英語がそれほど得意じゃない人(と言っても私よりずっと堪能)にはプレッシャーにならず、親しみも感じるらしい。
そうして本採用になったお店で、私は毎日働いた。
0時に閉店になって、0時19分の終電で家に帰った。
昼間も仕事だから、アフターは殆どしなかったけれど、割と周りに応援してもらってたので、文句も言われなかった。
当時はお金を稼いで大学に進学したかったので、それをずっと言い続けていたから。
ホステスって華やかで儲かるイメージだけど、案外に出費も多い。
客に土産を持たせたり、煙草を買い置きしたり、美容室でセットするのも自腹。
『新ドレスの日』というのがあって、新しいドレスを着なくちゃいけないとか、同伴やイベントにノルマを課せられて、達成できないとペナルティとして給与から引かれる。
着物もルールがあって、月で着る地が違うとか。もうほんと訳が分からない。
なので高級クラブのホステスは、パトロンを持つ。
今で言う『パパ活』みたいなもんかな。
いやいや、そんなことは致しません。ホステスは恋愛ごっこをするだけで、愛人にはなりえません。身体を許すなんて売れないホステスがやる枕営業ですよ。
なんてテレビのインタビューとかで良く聞くけど、それ真っ赤な嘘か、在籍店がしょぼい三流店だと思う。
今は知らないけど、当時売れっ子はみんなパトロンがいたし、何なら何人も抱えてた。
私も複数恋愛派ではあったけれど、当時は若かったのでハゲオヤジばかりのクラブの客には、あまり興味がなかったというか。
そんな時に、現れたのが現在の夫。
確か誰か常連さんのお連れさんだったと思う。
デブでもハゲでもなく、まだ40歳になったばかりだったのかな。もうちょい上だったかな。出会った時はベンチャーIT企業の役員だった。
他のホステスにはめっちゃ辛口だったけど、私には割と紳士で、私は最初から気に入られたようだった。
常連に連れられてきたのは最初だけで、次からは一人で来たし、ゴールドカードで支払っていた。
最初に連れられて来た時の常連さんの担当お姐さんが気を利かせて、口座を私にしてくれて、時々同伴もしてくれるようになった。
この時の印象は「とても良い客」というだけ。
妻帯者だし、ベンチャー企業ってチャラいと思ってたし。
政治家とかゼネコンとかの役員はすごいってイメージで、ITのベンチャーってなんか軽いし信用できないような。カードもブラックじゃないし。
後にも先にも夫だけなんだけど、この後何度も会ってるうちに、ジワリジワリと好きになった気がする。だいたい一瞬でインスピレーションで決める私が、なんとなく少しずつ距離を縮めていった。
ある日、何故水商売しているのかという問いに「大学に進学したいから」と答えたら、夫は
「じゃあ行かせてあげるよ、だからお店を辞めなさい」
と真顔で言われたのが、一番グッと来た気がする。
そして本当に、私達が結婚してから、約束通りに私を進学させてくれた。
だから夫には感謝しかない。
当時の私はいろんな嘘をたくさんついていて、それは半分位は夫と結婚する前に打ち明けたんだけど、あとの半分位は今でも話してない。
特に水商売でのあんなことやこんなことは、やっぱり引退した今も夫には明かせない。
その話はまた時々更新しようと思う。
コロナの閑話ということで。
(あんまり受けがよくなかったら、これっきりでやめるかもww)
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