愛人とデート。最近はコンスタントに会えてる。
もうすぐ出会って一年になるのに、相変わらず待ち合わせで私を見つけたら
「こんにちは、よろしくお願いします」
とか言ってくる。
何がよろしくなんだよと心で突っ込みながらも、超絶シャイなこの男の、こんな態度が嫌いじゃない私。
隣を並んで歩く。そっと腕を組んでみる。組んだ腕を解きはしないけど、照れて無言になるこの人…全裸を見せ合う仲なのに毎回これだから可愛い。
ちなみに彼氏は会ったらすぐ手を繋ぐし、隙あらば道路でもお店でもキスしようとする。ペットも手は繋ぐかな？男気の強い愛人は人前をすごく気にする。私の男の中で、唯一の独身なのに…ちょっと昭和感(笑)
私はデートというものは、男性からお誘いを受けて、男性がリードしてくれるものだとずっと思ってた。二人で相談しても、結局様々な手配は男がしてくれた。だから愛人にもその役割を期待していた。
だけどこの男は、デートの誘いすら上手くできないみたい。
私に会いたくないのかと思ったけど、そうではないらしい。
ただ超絶シャイで誘えないというのが最近わかってきた。だから半ば強制的に『今月はこの辺がスケジュール空いてるんだけど、アナタの予定は？デートしたいんだけど』と約束させてる。
日時が決まっても待ち合わせ場所も決められない。だから待ち合わせ場所もプランも、最近は行くラブホまで私が決める。
だけど私の男達の中では、一番硬派。
仕事熱心で真面目で、友達思い。
お金が無くても、デート代を全部支払おうとする見栄っ張り。
身体もマッチョ、男らしいことに強いこだわりを持ってる。
そうゆうの全部好き。
この日も午後の半端な時間に待ち合わせだから、待ち合わせして、コンビニで買い物して、ラブホ。その後飲みに行くプラン。
『ホワイトデーのデートだから、ちゃんと身体で返してね』って一言添えて伝えておいた。言っておかないと『お酒も飲まずにいきなりラブホに入れない』ってフリーズされてしまう。どんだけ照れても、いい歳のオジサンとオバサンなのにね。周りの誰も気にしちゃいないよね。
予め調べておいた、フリータイムが長いラブホに連れて行く。
部屋に入って、まずうがい手洗い…飲み物を冷蔵庫に入れて、お風呂にお湯を溜めて。
まずは一杯、ビールで乾杯。
愛人はテレビが好きで、すぐテレビを見たがる。
他の男はまず部屋に入ったらキスするんだけど、もうこの時点で照れてテレビに集中してるふり。もうだいたいパターンは分かってるから、甘えてキスを迫ると、ちゃんと応えてきた。
だけどまたテレビ見て、お酒飲んで、ちょっと喋って。
最近これは前戯だなぁって思う。焦らしプレイ？それもいいよね。
今回はラブホのサービスタイムのお蔭で、中途半端な時間から利用しても4時間位滞在できるから、1時間はゆっくり飲んでた。その間、私が勝手に男にもたれたり、背中にくっついたり。好きに甘える(笑)
その後一緒にお風呂に入り、身体を洗いっこしてからのベッド。
どこでスイッチ入るのかわからないけど、私が先に攻めて途中から愛人主導になる。
自分が果てなくても私に尽くすので長い間攻められイカされ、何度も気が遠くなった。
その後ふたりでウトウト。
締まった身体に抱かれたまま眠るのは至福。
愛人の寝息を聞いてるのも好き。
で、超絶シャイな男は、ここからやっと普通の恋人同士モードになる。
ほんと不思議なんだけど、セックスが終わってからがナチュラルなの。
今日はこの後、何を食べようかと相談しながら一緒にお風呂に入り、身体を拭き合い、身支度を整える。忘れ物ないか確認したりして、ドアを開ける愛人に
「待って、一歩戻って」
とせがむ。
部屋を出る前にキスをしたいのを知ってる癖に、毎度同じことをする。わざとかな。
愛人が微笑みながら一歩戻って、私に抱きつかれるがままキス。
もう一度キス。
手を繋いで外に出るときは、ちょっと二人の距離感も近づいてる。
これもいつも通り。
何件かお店を見て回って、今日は焼き鳥屋さんへ。
私はカウンターで手を繋いでご飯したいんだけど、愛人はそんなことをしたらまたフリーズしちゃうので、テーブル席へ。せっかく左利きなのに、右利きの男を選んでる意味が無いんだよね、この時ばかりは残念。
でも飲みながらたくさん話した。
主に愛人の仕事のことや、将来のこと。
それから初夏には休みを取ってどこか行こうって話も。
「4日休めたら、また一緒に南国行きたいですね」
「休みは取れてもコロナで海外行けないよ、今は」
「落ち着きますよ、きっと」
相変わらず時々私に敬語なとこも、口数は少ないけど私の事が好きなのもよくわかるようになってきた。
女は言葉を欲しがるけど、男は態度で伝えたがる。特にこの人、嫉妬するのはカッコ悪いと思ってる癖に、心の中ではけっこう妬いてるのが会話の隙間でわかる。
「あ、それで友達が…友達ってA子ちゃんのことだけど」
「あ、女性？なんだ…（ホッとした顔）」
一瞬すごく嬉しそうに安心するから、なんだか切なくなる。
そんなに想ってくれてるなら、もっと言葉にしてくれてもいいのに。
私の周りの男達のことを、実は一番気にしてるのは愛人なのかもしれないなぁなんて、ちょっと自惚れてみたり（一番共通の知人が多いから、あちこちで私が男と歩いてる目撃情報を聞かされてるらしいｗ）
帰りは途中まで一緒の電車に乗って、乗換の駅でバイバイ。
『無事に最寄り駅についたよ』ってLINEしたら、『自分も着きました、また四月』って返事。
来月の話題も自分から振れるようになったとは。
最低月イチは私とデートするってことも、愛人に刷り込まれたみたいで大変よろしい(笑)
『えー嬉しい！4月のデートも楽しみだよ。おやすみ（CHU!)』
と可愛く返事をして、夫の待つ家に帰った。
だいぶ超絶シャイな男の扱いに慣れたな～約1年かかったけど。
去年の秋には捨てようかと思ってたのに、ほんと愛しい私の愛人💛
（私もコロコロ気が変わるよね、我ながら）
超絶シャイな男は、言葉より態度。
そしてパターンさえ理解すれば、こっちの誘導で上手く操作可能。
ただし硬派で男気強いから、男のプライドを時々持ち上げることが大事かな。
・・・
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