人妻の気紛れで自堕落な生活

人妻の夜遊びとか不倫とか時々仕事とか

後悔してる男~シゲさん

家庭の事情で高校生になったら普通にバイトして、その上週末の夜はスナックでホステスしてた。18歳になったらスナックより時給の良いクラブに鞍替えして、結婚するまで昼間は会社員、夜はホステスの二束の草鞋生活を続けてた。

私が大学に進学したのは結婚してから。夫の稼ぎで進学させてもらった。

 

そんなクラブホステス時代、けっこうなノルマが度々あった。

毎月の同伴や売り上げのほかに、年末になるとパーティ券というのを売らなくてはならない。売れなければ自腹。これがけっこう辛い。

まだ若い私には、パトロンと呼ばれるホステスへの経済援助者はいなかった。なのにノルマは年々厳しくなる。

 

性に奔放だった私でも、パトロンを持つことは考えたくはなかった。そもそもホステスは腰かけ程度の気持ちでやってたし、パトロンを持つとパトロンのモノ扱いになるので、経済的に恵まれる代わりに不自由になる。

何よりも自由でいたかった。

だけど水商売は、儲けも多いが出費も多く、ノルマも痛い。

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2年近くお店に通ってくれてるシゲさん。人懐っこい笑顔のふくよかなオジサン。

私の事をすごく好きと言ってくれてるし、少し遠くの街で小さいけど会社を経営してると聞いていた。

去年もお店に来た時にお願いしたら、すぐ10万円分のパーティー券を買ってくれたので、今年はもう少し買ってもらおうと、私はシゲさんの会社を訪れた。

 

「いいよいいよ、それでいくら買えばじゅりんちゃんが助かるの?」

 

大きくて豪華な会議室に通され、想像以上にシゲさんの会社が立派なことにビビりながらも

 

「えっと、100万円分買っていただけたら御の字なんですけれど…」

 

と言ってみる。

 『100万?そんなに無理だよ、そうだなぁ半分の50万なら買ってあげる』

そう言われるだろうと見込んでた。私のノルマは100万円、50万買ってもらえれば半分終わる。後は他のお客さんに小口で買ってもらえば大丈夫だろう。

 

「ええよ、100万ね」

 

「え?」

 

シゲさんは会議室の脇にある優雅なデスクの下から、100万円の帯がついた束を私にくれた。

そして束を受け取った私の手首をそのまま握って、私をソファに押し倒した。

シゲさんの大きな体が私に覆いかぶさり、首筋を舐められる。

…苦しい。息が出来ない。でも何だかエロい。

 

一瞬何が起きてるかわからなかった。

 

「そうゆうつもりで来たんやろ?可愛いじゅりんちゃんの頼みだから聞いてあげるけど」

 

関西鈍りの標準語。こんなシゲさんを見たのは初めて。

いつも人の良さそうな笑顔で、礼儀正しく気持ちよく酔って帰るお客さんだった。

男ってこんな風に豹変するんだ…そんな風にボンヤリ思ってた。

 

そのままソファでされるがままで、いつの間にか私もその気になってシゲさんを受け入れていた。いつか彼氏と見たAVみたいだなと思いながら、あり得ないシチュエーションでのセックスは刺激的で楽しかった。

 

誰がいつ、この会議室に来るかわからない。

そしてこの、お人好しの代表みたいな男が、突然見せた雄の顔。

荒々しく犯される快感。

 

多分、ほんの10分程度の情事。

終わってから身支度をして、パーティ券を渡して、帯の100万円を受け取って帰った。

これって売春なのかなぁと少し考えたものの、ノリでセックスして楽しんだ程度にしか、私の方は思っていなかった。

 

その後シゲさんがお店に来ると、私を『俺の女扱い』し始めた。お店が終わった後もアフターに行くと騒ぐ。私が断ると怒る。そして拗ねる。

シゲさんの行動はどんどんエスカレートして、私の住んでるアパートまで尾行したり、最寄り駅で待ち伏せされたりするようになった。まだストーカーと言う言葉が無い頃。

 

最後はお店に来てオンオンと泣かれた。

 

「俺は本気でじゅりんちゃんが好きなんや、何でそんなに冷たいの。あの時応えてくれたのは俺の事好きやなかったの?」

 

このころはもうシゲさんのストーカー行為が怖くて、お店にも事情を話してあったし、一人じゃ危険だからと同僚ホステスに私の部屋で寝泊まりしてもらってた。

 

その日お店から帰ったら、家の留守録(当時はまだ携帯が無かったので、家電の留守録にメッセージを残すのが恋人同士のやりとり。毎日シゲさんからは何らかの留守録が入ってた)に長い長いシゲさんからのメッセージが吹き込まれていた。

内容は、どれだけ私が好きかとか、どうして私が冷たいのかとか、一度受け入れてくれたのにソッポ向かれる筋合いは無いとか、パーティー券のために寝たのかとか、簡単に男と寝る女だって言いふらしてやるとか、昼間の会社に密告するとか…テープが切れるまで喋ってた。20分くらいあったのかな。

 

もうどうにでもなれと思ってた。シゲさんのやりたいようにやればいい。

前もって『虚言癖の気が狂った男に付きまとわれて困ってる』と勤め先では言いふらしておいたから、多分シゲさんが何かしたとしても、私の方が気の毒に思われるだけだろうと踏んでいた。

 

 だけどこの日の酷い悪態の留守録メッセージに、私以上に同僚ホステスが怒り爆発しちゃった。

翌朝私が出社した後、同僚ホステスがこの留守録テープを証拠として、シゲさんに社会的制裁を加えたと言っていた。

どんな制裁なのか詳しくは知らない。ただ同僚ホステスのパトロンは裏社会の偉い人だったから、けっこうえげつないことされたんじゃないのかなと思う。

 

その後二度とシゲさんには会ってないけど、申し訳ない事したなぁとも思うし、自業自得だなとも思うし、あのセックスは思いの他、良かったのにとも思う。

 セックスさえしなければ、シゲさんとは良い関係の客とホステスだったのに。

 

10年くらい後にシゲさんの会社の前を通ったけど、別の会社に代わってた。

・・・・・

 

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