クリスマスも兼ねて、彼氏とランチデート。
まずはフレンチのランチコースをゆっくりワインと楽しんでから。
こんなにゆっくり食事するのは久しぶり。
一品ずつ丁寧にサーブされるお料理を頂きながら、たくさんお喋り。
学生の頃はどの科目が得意だったとか、国語の先生に叱られた話とか、試験の暗記方法とか、お寿司はどれが好きとか。
そうそう、食べ物の好みがとても似ている私と彼だけど、お寿司の好みは全然違ってた。
「初めてじゅりんと、食の好みが違ってた」
とショックを受けてる彼に、
「お寿司はネタの取り合いにならないで済むね」
と言ったら笑ってくれた。
この笑顔ほんと好き。一日中見ていたい。
やっぱり彼氏は特別枠だなぁと感じる。
背も高くないし、女性の気持ちもわからない。特に気が利くわけでもない。
他の女性からみたら面白くない男なんだろうけど、私には特別な人。
「ねぇ、私達、何月何日に出会ったか覚えてる?」
「7月だよね、何日だっけ。日にちまでは覚えていないな」
ふと気になって、今朝初めてLINEを交換した日を調べてみたのだ。
7月に出会ってもう5か月、特に喧嘩もなく6か月目に入った。
「5か月経つんだね、なんだかずっと昔から、じゅりんを知ってるような気がするけど…」
わかる。
なんだろう、このノスタルジー。
私も彼と会うと、昔からの繋がりを感じる。
本当は今世で出会うすべての人達は、過去のどこかで出会ってるのだろう。
だけど私は、ベッドで彼の右胸に抱かれている時、その匂いと体温を、ずっと昔から知っていると感じる。懐かしいような嬉しいような、泣きたくなるような。
いずれ彼とも、お別れする時が来るだろう。
でもこうしてまた、未来のどこかで再会する。
そんな気がしてる。
付き合い始めの頃は、こうして食事をしていても早く抱き合いたくて、人目が無いとすぐにキスをしていた。
今も食事をしている彼はセクシーだと思うし、エロティックで密かに欲情することもある。
でも時間をかけて食事を楽しめるくらいには、私も落ち着いた。彼も同じだろう。
最後にサプライズのデザート。
彼は驚いて、逆に反応が薄くなってて笑った。
反応は薄いけど、嬉しくない訳じゃない。
それはわかってるから、私も嬉しい。
私は男のために何かしてる瞬間、とても満たされた気持ちになる。
それはデザートのサプライズもだし、セックスの前戯もだし、洋服をハンガーにかけてる時や、靴を揃える瞬間も。
きっと恋が醒めたら、全て面倒になるんだろうな。
そう思うと、恋は魔法だとつくづく思う。
どうか少しでも長く魔法のままで、私の気持ちが醒めないように…
2時間以上かけてゆっくり食事をして、ホテルの部屋に向かった。
(続く)